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【個別楽曲レビュー】GLAY/夢遊病

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90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。

ヒットソングだけを取り出してみれば、確かに耳馴染みの良い王道J-POPな楽曲で溢れていますが、ひとたび『GLAY』の世界へ足を踏み入れると、そこには成功者ゆえの苦悩に満ちた孤独の世界を垣間見ることができます。

そこは我々凡人にとっては到底辿り着ける境地ではありませんが、その途方に暮れるほどの景色を、TAKUROの紡ぐ言葉とメロディーによって私たちもほんの少しだけ追体験できるような気がします。

 

今回は、『GLAY』の楽曲、『夢遊病』のレビューです。

 

butterfly

全体概要

基本情報

アーティスト GLAY
曲名 夢遊病
演奏時間 3:37
作詞 TAKURO
作曲 TAKURO
編曲 GLAY & 佐久間正英

 

収録アルバム

アルバム名 トラック#
ONE LOVE 15

オリジナルアルバム『ONE LOVE』の15曲目に収録。

 

レビュー

私の中で『GLAY』最高傑作の一つ、『夢遊病』。

『GLAY』というモンスターバンドを生み出し、育ててきたTAKURO。彼の感じる成功者ゆえの苦悩が、本作『夢遊病』ではオブラートに包むことなく描かれています。

 

どの言葉も重みがあるのですが、やはり2番サビで歌われた夢に対する虚無感は歴史に残る名フレーズではないでしょうか。

こんなこと歌っちゃっていいの?というくらいに絶望的なフレーズ

“夢を叶えようよ”、”夢を追うことは素晴らしいよ”と歌う歌は数あれど、“夢が叶ってしまった後の虚無感”をここまで暴力的なまでにストレートな言葉で表現した作品にはなかなか出会えません。それくらい強烈。

函館から上京し、昔の仲間のまま音楽シーンを制覇したという、まさにビッグな夢を叶えた『GLAY』がこんなことを歌っているのですから、説得力は半端ではありません…!

“夢が叶った後の向こう側”という、我々のような凡人には到底見ることのできない景色を描いているのですが、やたら『夢遊病』にリアリティを感じるのは、『GLAY』の歴史が無言のままに語る説得力のおかげでしょう。

 

そして『夢遊病』というタイトルの秀逸さ。

この言葉は本来は”眠りながら起き上がって動き回る症状”を指すわけですが、もちろん夢遊病という症状そのものを歌っているわけではありません。

曲の内容的に、“意識も無く取りつかれたようにバンドで成功するという夢を追いかけた自分”という意味で『夢遊病』という言葉を使っているのではないでしょうか。

そう考えると、この楽曲は文字通り『夢遊病』です。

“夢”という一見ポジティブ100%に見える言葉に対し、致死量の毒を盛ることに成功したキラーワードだと思います。

 

『夢遊病』が収録されているアルバム『ONE LOVE』のレビューはこちらからどうぞ!

【アルバムレビュー】GLAY/ONE LOVE

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執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。