個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】GLAY/VIVA VIVA VIVA

投稿日:2019年4月5日 更新日:

90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。

ヒットソングだけを取り出してみれば、確かに耳馴染みの良い王道J-POPな楽曲で溢れていますが、ひとたび『GLAY』の世界へ足を踏み入れると、そこには成功者ゆえの苦悩に満ちた孤独の世界を垣間見ることができます。

そこは我々凡人にとっては到底辿り着ける境地ではありませんが、その途方に暮れるほどの景色を、TAKUROの紡ぐ言葉とメロディーによって私たちもほんの少しだけ追体験できるような気がします。

今回は、『GLAY』の楽曲、『VIVA VIVA VIVA』のレビューです。

※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY

youth

『VIVA VIVA VIVA』の全体概要

基本情報

アーティストGLAY
曲名VIVA VIVA VIVA
演奏時間4:28
作詞TAKURO
作曲TAKURO
編曲GLAY & 佐久間正英

『VIVA VIVA VIVA』収録アルバム

アルバム名トラック#
ONE LOVE8

オリジナルアルバム『ONE LOVE』の8曲目に収録。

※『VIVA VIVA VIVA』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

曲名、および歌詞中で繰り返される「VIVA」という言葉。これはラテン系の言語を語源としたワードで、日本語で言うところの”万歳”に相当するものです。つまり、『VIVA VIVA VIVA』という曲名を直訳すると、“万歳 万歳 万歳”になるわけです。

…うーん、日本語にしてしまうと、とたんにダサさで溢れかえってしまう上に、どこかの独裁国家が好んで使いそうなフレーズと化してしまいますね 笑。

本作『VIVA VIVA VIVA』、上述の曲名の意味通り、テンションの高い楽曲になっています。

そんなテンションの高さを反映してか、歌詞も非常にシンプルです。歌詞のほとんどが英語なのですが、中学校で学習するレベルの単語しか使われていません。ハイな気分を表現するのには、詩的な比喩や難しい意味の言葉は必要ない…ということなのでしょう。

一方、本作『VIVA VIVA VIVA』が収録されているアルバム『ONE LOVE』には、『Fighting Spirit』や『夢遊病』といった、成功者ゆえの苦悩を語った、なかなかにヘビーで憂鬱気味な楽曲も収録されています。

こういった楽曲がアルバム『ONE LOVE』の主成分だと私は思っていますので、真逆のベクトルを行く本作『VIVA VIVA VIVA』を聴くと…なんというか、カラ元気を爆発させているようにも思えるんですよね。

本当は全然ハイな気分じゃないんだけど、無理やりテンションを上げているような、そんな感じ。

さっきまで「生きることは辛い」って言ってたのに、いきなりどうした?って。

Amazonで試聴できます。

『VIVA VIVA VIVA』収録アルバムレビューリンク

※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY

-個別楽曲レビュー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】PIERROT/パウダースノウ

宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。 このバンドが活躍していた90年代後半から00年代前半頃はまだ”中二病”という言 …

【個別楽曲レビュー】ポルカッドットスティングレイ/パンドラボックス

2017年にメジャーデビューを果たしたバンド、『ポルカドットスティングレイ』!! ボーカルが紅一点の4人組ロックバンドで、有名どころで言えば、あの『JUDY AND MARY』と同じメンバー構成ですね …

【個別楽曲レビュー】GLAY/STAY TUNED

90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。 ヒットソングだけを取り出してみれば、確かに耳馴染みの良い王道J-POPな楽曲で溢れていますが、ひとたび『GLAY』の …

【個別楽曲レビュー】相対性理論/学級崩壊

2000年代後半、一部の世間をざわつかせた(?)不思議系おしゃれバンド『相対性理論』! 実験的な言葉選びとアレンジが非常に個性的です。 メンバーの中ではボーカルの「やくしまるえつこ」がソロでも曲を出し …

【個別楽曲レビュー】ゲスの極み乙女。/パラレルスペック

2014年メジャーデビューの後、2015年に紅白歌合戦へ出演と、国民的なバンドへ成長していた矢先、例の不倫事件で世間のイメージが急降下してしまったバンド、『ゲスの極み乙女。』。 以降、あまり良くないイ …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。