個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】PIERROT/ICAROSS

投稿日:2019年2月9日 更新日:

宗教的なカリスマ性中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。

アンダーグラウンド界のカリスマボーカル”キリト”と、奇天烈なサウンドで世界観にいろどりを添えるバンド隊の組み合わせはまさに唯一無二の存在。90年代後半から00年代前半にかけて数々の奇作を世に送り出し、潜在的中二病患者の爆発的発病に多大な貢献をしました。

今回は、『PIERROT』の楽曲、『ICAROSS』のレビューです。

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

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『ICAROSS』の全体概要

基本情報

アーティストPIERROT
曲名ICAROSS
演奏時間3:59
作詞キリト
作曲アイジ
編曲Pierrot & 成田忍

『ICAROSS』収録アルバム

アルバム名トラック#
FINALE9

メジャー1stアルバム『FINALE』の9曲目に収録。

※『ICAROSS』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

蝋(ろう)の翼で太陽に近づくも、太陽の熱で翼が溶けてしまい、地上に墜落するというギリシャ神話の登場人物”イカロス”。

『PIERROT』の楽曲である本作『ICAROSS』、曲名からしてこのギリシャ神話をモチーフにしているのは疑いようがないでしょう。歌詞中にも「高熱の恒星」や「翼」といった、ギリシャ神話イカロスのキーワードに通ずる言葉が出てきます。

ただ、”蝋の翼”という表現が楽曲中に出てこないのは少々気になるところ。ギリシャ神話イカロスの最も特徴的なワードは、この”蝋の翼”だと思うので。

そういう意味では、本作『ICAROSS』は、ギリシャ神話をモチーフとしながらも、あくまで『PIERROT』オリジナルの物語を歌っている楽曲と考えるのが正しいのでしょうね。確かに、この楽曲で歌われている“懺悔のために、自ら太陽に焼かれに行く”というストーリーは『PIERROT』オリジナルです。

…しかし、何に対する「懺悔」なのでしょう。#7 『MAD SKY -鋼鉄の救世主-』にて中二病を発症したことへの懺悔でしょうか。

確かに、顔を枕にうずめて過去の黒歴史を思い出している瞬間は、太陽に焼かれても構わないほど“うわあああ”ってなりますが。。。

ところで、ギリシャ神話のイカロスですが、正しい英語表現は“ICARUS”であり、本作の曲名『ICAROSS』とは微妙にスペルが異なります。

ギリシャ神話をモチーフとしながらも、物語そのものは『PIERROT』オリジナルという意味を込め、本家の”ICARUS”とはスペルを変えた『ICAROSS』という文字列をこの作品の曲名として与えたのかもしれませんね。

『ICAROSS』収録アルバムレビューリンク

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

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執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。