個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】PIERROT/CREATIVE MASTER

投稿日:2019年1月31日 更新日:

宗教的なカリスマ性中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。

アンダーグラウンド界のカリスマボーカル”キリト”と、奇天烈なサウンドで世界観にいろどりを添えるバンド隊の組み合わせはまさに唯一無二の存在。90年代後半から00年代前半にかけて数々の奇作を世に送り出し、潜在的中二病患者の爆発的発病に多大な貢献をしました。

今回は、『PIERROT』の楽曲、『CREATIVE MASTER』のレビューです。

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

billiards

『CREATIVE MASTER』の全体概要

基本情報

アーティストPIERROT
曲名CREATIVE MASTER
演奏時間3:57
作詞キリト
作曲アイジ
編曲Pierrot & 成田忍

『CREATIVE MASTER』収録アルバム

アルバム名トラック#
FINALE3

メジャー1stアルバム『FINALE』の3曲目に収録。

※『CREATIVE MASTER』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

スポーツ観戦者の歓声のようなサウンドエフェクトで幕を開ける作品、『CREATIVE MASTER』。

そんなオープニングの通り、本作『CREATIVE MASTER』は被支配者の繁殖を支配者が観察している様子を描いた楽曲になっています。悪趣味な視点ですね 笑。

本作『CREATIVE MASTER』の悪趣味な視点ですが、私はマンガ”賭博黙示録カイジ”における鉄骨渡りで描かれる心理描写に近いものを感じます。

幅の狭い鉄骨を命がけで渡る債務者に対し、富裕層の観客が“もっと「ドラマ」を見せろ”と野次を飛ばす鉄骨渡り。

強者が弱者を駒にして遊んでいるようなこの様子は、まさに本作『CREATIVE MASTER』で描かれた世界そのものではないでしょうか(もちろん、それぞれの舞台のスケールは違いますが)。

本作『CREATIVE MASTER』、楽曲の方もおもしろい構成をしています。

なんといっても、どこがサビかわかりません! 笑

もう少し言えば、どこもサビぽく聴こえます

そう、本作『CREATIVE MASTER』、最初から最後まで、キャッチーなメロディーで構成されているんですよね。

出だしの「さあ幕は…」の部分がキャッチーでサビっぽいので、”ああ、サビ始まりの楽曲かな”と思って聴くのですが、途中に現れる「こうして二人は…」の部分も流れ的にサビっぽく聴こえるんですよね。結局、どっちがサビ?となるわけです。

『PIERROT』の楽曲は”イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ…”という素直な構成の進行が多い印象があるので、本作『CREATIVE MASTER』のような楽曲はなおさらおもしろく感じます。

『CREATIVE MASTER』収録アルバムレビューリンク

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

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執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。