宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
アンダーグラウンド界のカリスマボーカル”キリト”と、奇天烈なサウンドで世界観にいろどりを添えるバンド隊の組み合わせはまさに唯一無二の存在。90年代後半から00年代前半にかけて数々の奇作を世に送り出し、潜在的中二病患者の爆発的発病に多大な貢献をしました。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『FINALE』のレビューです。
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『FINALE』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | FINALE |
演奏時間 | 4:40 |
作詞 | キリト |
作曲 | 潤 |
編曲 | Pierrot & 成田忍 |
アルバム『FINALE』と同名の楽曲。
ギターの潤が作曲を担当。
『FINALE』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
FINALE | 1 |
メジャー1stアルバム『FINALE』の1曲目に収録。
※『FINALE』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
『PIERROT』のメジャー1stアルバム『FINALE』と同名の楽曲にして、同アルバムの1曲目を飾る作品『FINALE』。
アルバム名もそうですけど、メジャー1stの1曲目のタイトルが”フィナーレ(終局)”というのは天邪鬼っぷりが半端ないですよね 笑。もちろん、”終わりがあるから新たな始まりがある”という意味でメジャーデビューのスタートにこの”フィナーレ”という言葉を選んだのだとは思いますが。
本作『FINALE』、とにかくイントロがかっこいいです。
サウンドエフェクトを使ったおどろおどろしいイントロから重厚なバンドサウンドへ変貌する瞬間、ここが個人的に一番の聴きどころだと思っています。やっぱりアルバムの1曲目はイントロが大事ですよね。
歌詞の方ですが、この楽曲ではアルバム『FINALE』全体を通して描かれるストーリーの方向性を示しているものと思います。なので、本作『FINALE』1曲だけで歌詞の内容を解釈するのはなかなか難しいものがあるのでしょう。
個人的に気になるのは、サビの最後のフレーズ、「二人に似せた…」というところです。これは、聖書で言うところの”神は自らに似せて人間を創った”という意味の記述を引用したものだと思われます。つまり、『FINALE』に登場する「支配者」は、このタイミングで”人間”を創ったものと解釈できるわけですね。
しかし、本作『FINALE』に続く楽曲『ハルカ…』では、「太古」を舞台に「進化」を歌っているのです。私は『ハルカ…』という楽曲を”太古の生物が人間へ進化する過程で何度もお互いを探し求め合うストーリー”と解釈しているので、本作『FINALE』の段階で既に人間が造られていると、どうもストーリーの辻褄が合わなくなってくるのです。。。
ということで、今の私は「二人に似せた…」というフレーズを次のように解釈しています。
“『FINALE』の「支配者」は直接的に人間を創ったわけでは無く、進化の最終地点として人間になるような遺伝子が仕込こまれた生物を創った”、と。
少々無理やり感はあるのですが、これなら『ハルカ…』の内容と矛盾しないかな。。。
『FINALE』収録アルバムレビューリンク
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