個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】PIERROT/FINALE

投稿日:2019年1月27日 更新日:

宗教的なカリスマ性中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。

アンダーグラウンド界のカリスマボーカル”キリト”と、奇天烈なサウンドで世界観にいろどりを添えるバンド隊の組み合わせはまさに唯一無二の存在。90年代後半から00年代前半にかけて数々の奇作を世に送り出し、潜在的中二病患者の爆発的発病に多大な貢献をしました。

今回は、『PIERROT』の楽曲、『FINALE』のレビューです。

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

volcano

『FINALE』の全体概要

基本情報

アーティストPIERROT
曲名FINALE
演奏時間4:40
作詞キリト
作曲
編曲Pierrot & 成田忍

アルバム『FINALE』と同名の楽曲。

ギターの潤が作曲を担当。

『FINALE』収録アルバム

アルバム名トラック#
FINALE1

メジャー1stアルバム『FINALE』の1曲目に収録。

※『FINALE』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

『PIERROT』のメジャー1stアルバム『FINALE』と同名の楽曲にして、同アルバムの1曲目を飾る作品『FINALE』。

アルバム名もそうですけど、メジャー1stの1曲目のタイトルが”フィナーレ(終局)”というのは天邪鬼っぷりが半端ないですよね 笑。もちろん、”終わりがあるから新たな始まりがある”という意味でメジャーデビューのスタートにこの”フィナーレ”という言葉を選んだのだとは思いますが。

本作『FINALE』、とにかくイントロがかっこいいです。

サウンドエフェクトを使ったおどろおどろしいイントロから重厚なバンドサウンドへ変貌する瞬間、ここが個人的に一番の聴きどころだと思っています。やっぱりアルバムの1曲目はイントロが大事ですよね。

歌詞の方ですが、この楽曲ではアルバム『FINALE』全体を通して描かれるストーリーの方向性を示しているものと思います。なので、本作『FINALE』1曲だけで歌詞の内容を解釈するのはなかなか難しいものがあるのでしょう。

個人的に気になるのは、サビの最後のフレーズ、「二人に似せた…」というところです。これは、聖書で言うところの”神は自らに似せて人間を創った”という意味の記述を引用したものだと思われます。つまり、『FINALE』に登場する「支配者」は、このタイミングで”人間”を創ったものと解釈できるわけですね。

しかし、本作『FINALE』に続く楽曲『ハルカ…』では、「太古」を舞台に「進化」を歌っているのです。私は『ハルカ…』という楽曲を”太古の生物が人間へ進化する過程で何度もお互いを探し求め合うストーリー”と解釈しているので、本作『FINALE』の段階で既に人間が造られていると、どうもストーリーの辻褄が合わなくなってくるのです。。。

ということで、今の私は「二人に似せた…」というフレーズを次のように解釈しています。

“『FINALE』の「支配者」は直接的に人間を創ったわけでは無く、進化の最終地点として人間になるような遺伝子が仕込こまれた生物を創った”、と。

少々無理やり感はあるのですが、これなら『ハルカ…』の内容と矛盾しないかな。。。

『FINALE』収録アルバムレビューリンク

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

-個別楽曲レビュー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】ポルカッドットスティングレイ/テレキャスター・ストライプ

2017年、ブレイク間違いなし(と思っていたけど、あんまりそうでもなかった)バンド、『ポルカドットスティングレイ』!! 女性ボーカルとギター、ベース、ドラムといった、シンプルな構成の4人ロックバンドで …

【個別楽曲レビュー】B’z/CAT

ボーカルの稲葉浩志とギターの松本孝弘による二人組ロックバンド『B’z』。 日本におけるアーティスト・トータル・セールス(CD)が歴代1位という記録を保持している『B’z』ですが …

【個別楽曲レビュー】ゲスの極み乙女。/ノーマルアタマ

2014年メジャーデビューの後、2015年に紅白歌合戦へ出演と、国民的なバンドへ成長していた矢先、例の不倫事件で世間のイメージが急降下してしまったバンド、『ゲスの極み乙女。』。 以降、あまり良くないイ …

【個別楽曲レビュー】黒夢/LOVE SONG

ボーカルとベースの二人組という珍しい組み合わせのバンド、『黒夢』。 1994年のメジャーデビュー後、順調にセールスを伸ばしていた中1999年に無期限の活動停止を発表。そしてその約10年後の2010年、 …

【個別楽曲レビュー】B’z/TIME

ボーカルの稲葉浩志とギターの松本孝弘による二人組ロックバンド『B’z』。 『B’z』に言及するからにはやはり避けて通れないのは数々の記録でしょう。その中でも日本におけるアーティ …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。