個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】GLAY/ALL STANDARD IS YOU

投稿日:2019年3月28日 更新日:

90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。

ヒットソングだけを取り出してみれば、確かに耳馴染みの良い王道J-POPな楽曲で溢れていますが、ひとたび『GLAY』の世界へ足を踏み入れると、そこには成功者ゆえの苦悩に満ちた孤独の世界を垣間見ることができます。

そこは我々凡人にとっては到底辿り着ける境地ではありませんが、その途方に暮れるほどの景色を、TAKUROの紡ぐ言葉とメロディーによって私たちもほんの少しだけ追体験できるような気がします。

今回は、『GLAY』の楽曲、『ALL STANDARD IS YOU』のレビューです。

※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY

tulips

『ALL STANDARD IS YOU』の全体概要

基本情報

アーティストGLAY
曲名ALL STANDARD IS YOU
演奏時間3:21
作詞TAKURO
作曲TAKURO
編曲GLAY & 佐久間正英 & dj honda

アレンジはdj hondaとのコラボレーション。

『ALL STANDARD IS YOU』収録アルバム

アルバム名トラック#
ONE LOVE1
UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY13
REVIEW II -BEST OF GLAY- (HISASHI盤)2

メジャー6thオリジナルアルバム『ONE LOVE』の1曲目に収録。

また、続く7thオリジナルアルバム『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』には『ALL STANDARD IS YOU 〜END ROLL〜』として最終トラックに収録されています。

※『ALL STANDARD IS YOU』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

シンプルに刻まれるビートと、静寂を縫うように遠くから響くように聴こえるピアノのコラボレーションが美しい1曲、『ALL STANDARD IS YOU』。

宇宙空間を漂うような、”空白”を意識した音作りなのだと思いますが、この聴き心地がこれまでの『GLAY』には無い新鮮な感じがしました。

さらに、楽曲の要所要所で切り裂くように炸裂するエレキギターもかっこよく、『GLAY』がロックバンドであることをしっかり主張しています。

そして何より印象的なのはサビの歌詞ですかね。

このサビ、一言で言えば“否定形であふれる詞なのに、愛に満ちた言葉”という感じ。

いや、むしろ、否定形を重ねた二重否定を連発することで「あなたの」存在を強い力で全肯定している…という表現が正しいでしょうか。早口気味で畳みかけるような歌い方も相まって、かなりインパクトのあるサビです。

ただ、一方で、ここまで全肯定されると”重い”と感じる人もいるかもしれません。曲名からして”『ALL STANDARD IS YOU』(全ての基準はあなた)“ですし。

私は本作『ALL STANDARD IS YOU』における、この“手加減の無い重さ”がかなり好きなんですがね 笑。

『GLAY』のラブソングの中でも相当上位に入るくらい好きです。

なお、上記レビューは全てアルバム『ONE LOVE』収録の『ALL STANDARD IS YOU』に関する内容です。

続くアルバム『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』にも『ALL STANDARD IS YOU 〜END ROLL〜』として最終トラックに収録されていますが、こちらは曲中にラップが挿入されていたりと、アレンジがガラッと変わってヒップホップ調になっています。

もちろん好みの問題はありますが、私はアルバム『ONE LOVE』版の方が圧倒的に好きです。

優しさ度(?)は『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』版に軍配が上がりますが、やっぱり『ONE LOVE』版で感じられる“手加減の無い重さ”が最高ですね 笑。

Amazonで試聴できます。

『ALL STANDARD IS YOU』収録アルバムレビューリンク

※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY

-個別楽曲レビュー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】LUNA SEA/SEARCH FOR REASON

2000年に終幕をし、長らく伝説のバンドとなっていましたが、2010年に活動を再開した『LUNA SEA』。 復活後も定期的に新作をリリースして楽しませてくれるのみならず、ライブでは最新の技術によって …

【個別楽曲レビュー】ZONE/GOOD DAYS

“バンド”でも”アイドル”でもない“バンドル”という新しいジャンルで活動を始めた4人組グループ『ZONE』。 途中で本当に楽器を …

【個別楽曲レビュー】GARNET CROW/夢みたあとで

2013年、惜しまれながらも解散した『GARNET CROW』。 女性のボーカルとキーボード、男性のギターとキーボードという4人構成で活動していました。 丁寧に作りこまれたポップソングが『GARNET …

【個別楽曲レビュー】hide/EYES LOVE YOU

伝説のミュージシャン…その言葉が最も似合う日本人は、やはり『hide』ではないでしょうか。 カリスマバンド『X JAPAN』のギタリストというポジション、トレードマークの赤髪、ズバ抜けたセンス、そして …

【個別楽曲レビュー】GARNET CROW/A crown

2013年、惜しまれながらも解散した『GARNET CROW』。 女性のボーカルとキーボード、男性のギターとキーボードという4人構成で活動していました。 丁寧に作りこまれたポップソングが『GARNET …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。