ボーカルの稲葉浩志とギターの松本孝弘による二人組ロックバンド『B’z』。
『B’z』に言及するからにはやはり避けて通れないのは数々の記録でしょう。その中でも日本におけるアーティスト・トータル・セールス(CD)が歴代1位という記録は最もインパクトのあるものではないでしょうか。
シンプルに、日本の歴史上最もCDを売り上げたアーティストが、この『B’z』というバンドなのです…!
今回は、『B’z』の個別楽曲、『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』のレビューです。
※『B’z』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/B’z
目次
『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』の全体概要
基本情報
アーティスト | B’z |
曲名 | 愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない |
演奏時間 | 3:56 |
作詞 | 稲葉浩志 |
作曲 | 松本孝弘 |
編曲 | 松本孝弘 & 明石昌夫 |
12thシングルのA面曲。売上枚数約202万枚のダブルミリオンヒット作品。『B’z』のシングルの中で最も売上枚数の多い作品です。
『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
B’z The Best “Pleasure” | 7 |
B’z The Best “ULTRA Pleasure” (The First RUN) | 8 |
B’z The Best XXV 1988-1998 (DISC1) | 12 |
『B’z』で最も売れた曲であるにも関わらず、オリジナルアルバム未収録。
※『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
見て通り、非常に長いタイトルを持つ楽曲が本作『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』(真ん中のスペースを除けば全21文字)。
オリエンタルなメロディーに乗せ、サビの頭でこのタイトルまんまの歌詞を歌うという、非常に強烈かつキャッチーな楽曲です。
リリースから長らく190万枚台の売上を誇り、ダブルミリオンまであと少しという状態でしたが、2003年にマキシシングルとして再販されたタイミングでついにダブルミリオンを突破。本作『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』が『B’z』のシングル作品の中では唯一のダブルミリオンになります。
日本のダブルミリオン作品を振り返ってみると、社会現象を巻き起こすほど中毒性のある楽曲だったり(例『だんご3兄弟』等)、ドラマの主題歌になった感動的なラブバラードだったり(例『SAY YES』等)します。
そういう観点で見ると、本作『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』はドラマの主題歌になったとはいえ、”感動”ではなく“J-POP的なキャッチーさ”を売りにしてダブルミリオン突破というのが特殊に思えます。
言い方は悪いかもしれませんが、本作『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』は、誰かの人生に影響を与え続ける名曲というより、一時的な気持ちよさを満たす使い捨て的な楽曲に分類されると思うのです。
ただ一方で、そんな”使い捨て感”こそJ-POPに求められている大事な役割の一つだと私は考えています。結局のところ、ポップスという言葉は、日本語に訳せば”流行音楽”ですから。つまり、J-POPの本質は、消費と密接に絡んでいるということです。
この“消費されゆく音楽”というJ-POPの役割を見事全うした本作『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』がダブルミリオンという結果を残したところに、『B’z』というバンドが繰り出す作品のパワーを感じられるのではないでしょうか。
『B’z』が日本で最もCDを売ったアーティストである理由も、こういった”一つ一つの消費されゆく音楽”を確実にヒットさせてきたところにあるように思います。
そういう意味でも、ダブルミリオンを記録した本作『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』は、間違いなく『B’z』の代表曲と呼べるでしょう。
『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』収録アルバムレビューリンク
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