宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
アンダーグラウンド界のカリスマボーカル”キリト”と、奇天烈なサウンドで世界観にいろどりを添えるバンド隊の組み合わせはまさに唯一無二の存在。90年代後半から00年代前半にかけて数々の奇作を世に送り出し、潜在的中二病患者の爆発的発病に多大な貢献をしました。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『MAGNET HOLIC』のレビューです。
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『MAGNET HOLIC』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | MAGNET HOLIC |
演奏時間 | 3:17 |
作詞 | キリト |
作曲 | キリト |
編曲 | Pierrot & 成田忍 |
本作『MAGNET HOLIC』がアルバム『FINALE』収録曲の中で最も演奏時間の短い楽曲になります。
『MAGNET HOLIC』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
FINALE | 6 |
メジャー1stアルバム『FINALE』の6曲目に収録。
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レビュー
スピード感のあるキャッチーなオープニングが印象的な1曲、『MAGNET HOLIC』。
この疾走感のまま駆け抜けてくれるかと思いきや、歌唱部分は意外とミドルテンポ。サビもキャッチーと言えばキャッチーなのですが、オープニングで期待していた方向とは若干違うところへ着地している感じです。
簡単には気持ちよくさせてくれない、焦らし系の仕上がりですね 笑。
本作『MAGNET HOLIC』では歌詞中に「電飾」や「モニター」といった言葉が出現します。メカニカルなサウンドも相まって、アルバム『FINALE』の流れの中では#6の本作『MAGNET HOLIC』で一気に”現代感”が出てきますね。
アルバム『FINALE』にて#1から始まった「アダムとイヴ」の物語。その二人を取り囲む歴史が積み上げてきた文明が、#6 『MAGNET HOLIC』で”開花”したと考えるのが素直な解釈でしょうか。
…ただ、#2の『ハルカ…』の時点で既に「コンクリート」という、これまた現代的な単語が出てきているんですよね。。。
そうすると、#6 『MAGNET HOLIC』で文明開化と考えるのは時系列的に矛盾が生じます。
アルバム『FINALE』の流れを生物の進化と人類の発展の歴史に重ねて解釈したいのですが、『ハルカ…』に登場する「コンクリート」という言葉が、なかなか一筋縄で理解させてくれません 笑。
アルバム『FINALE』の解釈の話から反れますが、本作『MAGNET HOLIC』のサビに出てくる「何倍も綺麗さ」というフレーズを聴く度、“化粧品のCMにピッタリだな”なんて思います。
…いや、化粧品のCMにしてはちょっと爽やかさが足りないか 笑。
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