宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
アンダーグラウンド界のカリスマボーカル”キリト”と、奇天烈なサウンドで世界観にいろどりを添えるバンド隊の組み合わせはまさに唯一無二の存在。90年代後半から00年代前半にかけて数々の奇作を世に送り出し、潜在的中二病患者の爆発的発病に多大な貢献をしました。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『ECO=System』のレビューです。
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『ECO=System』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | ECO=System |
演奏時間 | 4:21 |
作詞 | キリト |
作曲 | キリト |
編曲 | Pierrot & 成田忍 |
『ECO=System』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
FINALE | 5 |
メジャー1stアルバム『FINALE』の5曲目に収録。
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レビュー
本作『ECO=System』、曲名を直訳すれば“生態系”です。
こういった理系ワードはポップスの世界では使われないので斬新ですね。曲名だけで個性が出ます。
…まぁ、それだけ理系ワードというのは歌のテーマにしずらいのでしょう。
本作『ECO=System』でも、”生態系”という直接的な言葉は歌詞中に出てきません。Aメロ冒頭に現れる「共存」という言葉が、”生態系”に近いニュアンスで使われているといったところでしょうか。
本作『ECO=System』、アルバム中盤に登場するスローテンポな楽曲と言うことで、けっこう印象に残りにくい作品なのかなと思います。私も初めて聴いたときは”ふーん”くらいの感想でした。
ただ、何度か聴いているとけっこうハマって来る楽曲です!
本作『ECO=System』は大人しいバンドサウンドを背景に、歌メロで楽曲を盛り上げていくスタイルになっているんですね。特に、サビに向かって盛り上がっていくBメロのメロディーに気づいてからはこの楽曲への愛着がかなり高まりました。”今までサラッと聴き流していたけど、このメロディーいいな!”って。
あと、『PIERROT』にしては直球ラブソング的に聴こえるのもおもしろいところですね。
一見すると頭に”?”の浮かぶ『ECO=System』という曲名と、冒頭Aメロ1行の歌詞を変えるだけで、本当に一般受けするラブソングに変貌すると思います。
逆に言えば、直球ラブソングに仕上げるほうが近道になりそうな楽曲であるにも関わらず、そうは仕上げなかったわけですから、ここはさすが『PIERROT』という感じですね 笑。
『ECO=System』収録アルバムレビューリンク
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