90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
ヒットソングだけを取り出してみれば、確かに耳馴染みの良い王道J-POPな楽曲で溢れていますが、ひとたび『GLAY』の世界へ足を踏み入れると、そこには成功者ゆえの苦悩に満ちた孤独の世界を垣間見ることができます。
そこは我々凡人にとっては到底辿り着ける境地ではありませんが、その途方に暮れるほどの景色を、TAKUROの紡ぐ言葉とメロディーによって私たちもほんの少しだけ追体験できるような気がします。
今回は、『GLAY』の楽曲、『HIGHWAY NO.5』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
『HIGHWAY NO.5』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | HIGHWAY NO.5 |
演奏時間 | 3:10 |
作詞 | JIRO |
作曲 | JIRO |
編曲 | GLAY & 佐久間正英 |
ベースのJIROが作詞作曲を担当した楽曲。
『HIGHWAY NO.5』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
ONE LOVE | 4 |
オリジナルアルバム『ONE LOVE』の4曲目に収録。
※『HIGHWAY NO.5』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
JIROが作曲した楽曲は過去のアルバムにもいくつか収録されていましたが、作詞作曲ともJIROが担当した楽曲がアルバムに収録されるのはアルバム『ONE LOVE』が初めて。
『ONE LOVE』におけるJIRO作詞作曲の作品は、本作『HIGHWAY NO.5』と#11 『mister popcorn』の2曲が収録されています。
重いテーマの楽曲が散見される『ONE LOVE』ですが、JIROやHISASHIの提供するナンセンスな言葉使いをした楽曲があることで、このアルバムが暗くふさぎ込んだものにならず、ある種の多様性をもたらしているように感じますね。
TAKUROが「生きる事は辛い」なんて言い切っている一方、本作『HIGHWAY NO.5』のJIROは「高速道路」が「大渋滞」で、スピード出せずにイライラしていると歌っているわけですから。
ただ、本作『HIGHWAY NO.5』が”一抹の不安も無い能天気100%な世界”を歌っているかというと、そうでもありません。
むしろ、不安を抱えながらも、それを紛らわすかのように「高速道路」を突っ走っているような感じもします。
そういう意味では、こういった一見ナンセンスな言葉遊びをしているように見える楽曲にも、アルバム『ONE LOVE』に蔓延している“成功者ゆえの苦悩”の影が見え隠れしているのかもしれませんね。
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『HIGHWAY NO.5』収録アルバムレビューリンク
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