宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
2006年突如解散してしまいましたが、最近になってライブを開催してみたりファンクラブを再始動させたりと、復活の香りを感じる出来事に再始動を期待してしまいますね。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『KEY WORD』のレビューです。
※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT
『KEY WORD』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | KEY WORD |
演奏時間 | 4:48 |
作詞 | キリト |
作曲 | アイジ |
編曲 | Pierrot |
『KEY WORD』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
パンドラの匣 | 4 |
インディーズアルバム『パンドラの匣』の4曲目に収録。
※『KEY WORD』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
アルバム『パンドラの匣』収録曲の中でもかなりポップな楽曲。
本作『KEY WORD』の作曲を担当しているのがギターのアイジなのですが、彼は親しみやすいメロディーを書くタイプだと思っています。同アルバム収録の『SEPIA』や、メジャーデビュー後にリリースされる『COCOON』なんかもアイジ作曲作品ですが、非常に耳馴染みの良いメロディーの楽曲たちです。
そういうわけで、再録ベストアルバムの『DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-』がリリースされると決まった時、ポップで聴きやすい本作『KEY WORD』が選曲されるんじゃないかと私は思っていました。
それくらい、『PIERROT』のインディーズ時代を代表するポップな楽曲という印象です。
(結果として、本作『KEY WORD』は再録ベストアルバム『DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-』に選曲されませんでした。ただ、実際に『DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-』で選曲された楽曲の並びを見れば納得。あの個性的な楽曲群を押しのけて『KEY WORD』の入る余地は無さそうですもんね 笑)
ところで、本作『KEY WORD』の曲名が指す言葉、いわゆる“キーワード”って何なんでしょうね。
楽曲を聴く限り、主人公のトラウマになっているような、そんな言葉が”キーワード”のようですが、具体的な言葉では表現されていません。
これは私の推察、それも、妄想に近い推察ですが、本作『KEY WORD』、太宰治の”人間失格”の主人公、大庭葉蔵を歌っているんじゃないかな、と思うことがあります。
大庭葉蔵の天性のヒモ体質や自分を偽って道化師を演じて生きる姿がAメロやBメロで描かれていると考えると、辻褄が合わなくもないように感じるのです。そして、大庭葉蔵にとってトラウマ的な”キーワード”、それは“父”のはずです。まさに、彼が生まれたときから彼を支配し続ける存在…。
つまり、私なりの推察では、本作『KEY WORD』は人間失格をテーマにしており、”キーワード”=“父”というのが回答です。
…まぁ、冒頭に書いた通り、妄想に近い推察ですので、適当に読み流してくだされば幸いです。
『KEY WORD』収録アルバムレビューリンク
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