キラキラしたかわいい女の子ではなく(失礼)、もっと素の女の子をシンプルなバンドサウンドで表現してきた『チャットモンチー』!
気づけば、数多く存在する部活動的雰囲気を持った現代ガールズバンドの元祖とも言える立ち位置になっています。
そんな『チャットモンチー』も、メンバー脱退を経てギターボーカルとベースの二人になり、すでにメジャーデビューから10年以上が経過しています。もはや、ガールズバンドという括りではおさまりきらないバンドなのではないでしょうか。
今回は、『バースデーケーキの上を歩いて帰った』のレビューです。
※『チャットモンチー』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/チャットモンチー
目次
『バースデーケーキの上を歩いて帰った』の全体概要
基本情報
アーティスト | チャットモンチー |
曲名 | バースデーケーキの上を歩いて帰った |
演奏時間 | 3:17 |
作詞 | 高橋久美子 |
作曲 | 橋本絵莉子 |
編曲 | チャットモンチー |
『バースデーケーキの上を歩いて帰った』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
YOU MORE | 1 |
チャットモンチー BEST〜2005-2011〜 | 17 |
BEST MONCHY 1 -Listening- (CD1) | 19 |
4thフルオリジナルアルバム『YOU MORE』の1曲目に収録。
※『バースデーケーキの上を歩いて帰った』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
独特なコード進行に基づいたギターの音色が印象的な1曲、『バースデーケーキの上を歩いて帰った』。
コード進行を見ると、この独特な響きは”sus4″コードの使い方にあるようです。
“sus4″コードですが、”Csus4→C”のように、sus4コードのあとに同じルートのメジャーコードを配置して解決感を出すのが普通の使われ方です。作曲系の本なんかでsus4コードの使用例が出る場合、まずはこのパターンが扱われます。
一方、本作『バースデーケーキの上を歩いて帰った』の場合は”Gsus4→Csus4→Fm”のように、解決させるつもりはサラサラないような使い方をしています。これは作曲系の本では教えてくれない進行ですよ(多分)。おもしろいですね。
歌詞に出てくる「環七通り」は、東京都に敷かれている”東京都道318号環状七号線”のことを指しているんでしょうね。東京23区のギリギリ内側で大きく弧を描くように敷かれた道路です。
「環七通り」のゆるやかなカーブが、まるでホール型ケーキのフチのようであり、等間隔に建てられた街灯が「ろうそく」のように見えたのでしょう。
ここから、単に”環七通りを歩いて帰った”という行動を『バースデーケーキの上を歩いて帰った』という表現に昇華できるのがさすがですよね。誰も傷つけない、優しい絵本のような比喩が高橋久美子の詞の魅力だと思います。
『バースデーケーキの上を歩いて帰った』収録アルバムレビューリンク
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