キラキラしたかわいい女の子ではなく(失礼)、もっと素の女の子をシンプルなバンドサウンドで表現してきた『チャットモンチー』!
気づけば、数多く存在する部活動的雰囲気を持った現代ガールズバンドの元祖とも言える立ち位置になっています。
そんな『チャットモンチー』も、メンバー脱退を経てギターボーカルとベースの二人になり、すでにメジャーデビューから10年以上が経過しています。もはや、ガールズバンドという括りではおさまりきらないバンドなのではないでしょうか。
今回は、『橙』のレビューです。
※『チャットモンチー』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/チャットモンチー
『橙』の全体概要
基本情報
アーティスト | チャットモンチー |
曲名 | 橙 |
演奏時間 | 3:26 |
作詞 | 橋本絵莉子 |
作曲 | 橋本絵莉子 |
編曲 | チャットモンチー |
『チャットモンチー』の6thシングル。曲名の読み方は”だいだい”。
アニメ”BLEACH”のエンディングテーマにもなりました。
『橙』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
生命力 | 7 |
チャットモンチー BEST〜2005-2011〜 | 9 |
BEST MONCHY 1 -Listening- (CD1) | 11 |
2ndフルオリジナルアルバム『生命力』に収録。
※『橙』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
一直線で力強いバンドサウンドを聴かせてくれる1曲、『橙』。
曲名は『橙』とついていますが、歌詞中に”橙”というワードは出てきません。色関連の言葉と言えば、冒頭に「白黒」と出てくる程度。”橙”を象徴するような名詞も特に登場しません。
貧困な発想ですが、”橙”から連想できるものを考えてみたとき、”太陽”が思い浮かんできました。
『橙』が“太陽”の比喩だとしたら…。
つまり、サビで連呼する「行かないで」は特定の誰かではなく、”太陽”を指しているのだとしたら。
『橙』は歌詞に「あの頃」とか「1年前」とか、過去を振り返る言葉が端々に散りばめられています。これは過去に対して何らかの執着があることの現れかもしれません。
“太陽”に対して「行かないで」と言う意味は、時間に対する恐れと受け取れるのではないでしょうか。
太陽が沈んで夜が来て、そしてまた明日がやってくる。時間はただ黙々と過ぎてゆく。過去に対して執着を持っているのに、どんどん未来へ流されて、過去からますます遠ざかっていく。…時の流れが怖い。
そんな気持ちが”太陽”に対する「行かないで」に込められているとしたら…。
…”橙=太陽説”は完全に私の妄想です。
でも、歌詞を見返してみても、そんなに矛盾は無いと思うんですよね。
こういった答えのない答え探しのような楽しみ方ができるのも音楽の良さの一つだと思います。
私の説が正しいか確認したい方は、是非、『橙』を聴いてみてください。
『橙』収録アルバムレビューリンク
※『チャットモンチー』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/チャットモンチー