90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
耳馴染みの良いポップなメロディーと奇を衒わない素直な言葉で、J-POPの王道ともいえる音楽を世に繰り出し、人々を魅了してきました。
一方、類まれなる商業的な成功を収めたがために成功者ゆえの苦悩を歌った楽曲も存在します。こういった、少し影のある姿を時折見せてくれるのも、『GLAY』の魅力の一つですよね。
今回は、『GLAY』の個別楽曲『May Fair』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
『May Fair』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | May Fair |
演奏時間 | 4:58 |
作詞 | TAKURO |
作曲 | TAKURO |
編曲 | GLAY& 佐久間正英 |
曲名の『May Fair』、辞書で引いてもそれらしい答えは探し出せませんでした。Google翻訳に至っては”5月公平”とモロ直訳な返しをしてきます 笑。
「May」は”5月”の意味で良いんでしょうけど、「Fair」の解釈が未だにできずにいます。
『May Fair』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
pure soul | 3 |
MUSIC LIFE (BALLADE BEST☆MEMORIES) | 6 |
オリジナルアルバム『pure soul』の3曲目に収録。
※『May Fair』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
旅立ちを歌った楽曲『May Fair』。
“旅立ち”をテーマにしていながらも、”寂しさゆえの感動”を過度に煽るわけでは無く、切なさと前向きさを丁度いい加減でブレンドした仕上がりに感じますね。
アコースティックギターの淡々としたストロークが演出する穏やかな切なさが最高です。
ストリングスを多用して感動的なアレンジにも出来たのでしょうが、本作『May Fair』はアコースティックギターを利用したこのバンドアレンジの方が「May(5月)」の雰囲気にぴったりですね。
『May Fair』、上記の通り非常にバランスのいい名曲なのですが、”第一印象”という点においてはちょっとパンチに欠けるかもしれません。
派手なアレンジを施してあるわけでないので、アルバムを通して聴いたとき、初めはサラッと聴き流してしまうタイプの曲なのかなと思うのです。
『BELOVED』をシングルとしてリリースする際、本作『May Fair』を採用する案もあったようですが、結局は『BELOVED』がシングル曲として選ばれたようです。
シングル曲はやはりある程度の”派手さ”が大事だと思いますので、その意味では『BELOVED』をシングルとしたのは正解だったのでしょう。
とは言え、一度立ち止まって本作『May Fair』を聴いてみると、じわじわとその良さがわかってくると思います。
第一印象は地味かもしれませんが、アルバム『pure soul』になくてはならない1曲です。
いや、『May Fair』がベストアルバム未収録であることを考えると(限定版『MUSIC LIFE』を除く)、むしろ『May Fair』の存在はアルバム『pure soul』を手に取る理由の一つと言っていいかもしれません。
Amazonで試聴できます。
『May Fair』収録アルバムレビューリンク
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