90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
ヒットソングだけを取り出してみれば、確かに耳馴染みの良い王道J-POPな楽曲で溢れていますが、ひとたび『GLAY』の世界へ足を踏み入れると、そこには成功者ゆえの苦悩に満ちた孤独の世界を垣間見ることができます。
そこは我々凡人にとっては到底辿り着ける境地ではありませんが、その途方に暮れるほどの景色を、TAKUROの紡ぐ言葉とメロディーによって私たちもほんの少しだけ追体験できるような気がします。
今回は、『GLAY』の楽曲、『VIVA VIVA VIVA』のレビューです。
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『VIVA VIVA VIVA』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | VIVA VIVA VIVA |
演奏時間 | 4:28 |
作詞 | TAKURO |
作曲 | TAKURO |
編曲 | GLAY & 佐久間正英 |
『VIVA VIVA VIVA』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
ONE LOVE | 8 |
オリジナルアルバム『ONE LOVE』の8曲目に収録。
※『VIVA VIVA VIVA』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
曲名、および歌詞中で繰り返される「VIVA」という言葉。これはラテン系の言語を語源としたワードで、日本語で言うところの”万歳”に相当するものです。つまり、『VIVA VIVA VIVA』という曲名を直訳すると、“万歳 万歳 万歳”になるわけです。
…うーん、日本語にしてしまうと、とたんにダサさで溢れかえってしまう上に、どこかの独裁国家が好んで使いそうなフレーズと化してしまいますね 笑。
本作『VIVA VIVA VIVA』、上述の曲名の意味通り、テンションの高い楽曲になっています。
そんなテンションの高さを反映してか、歌詞も非常にシンプルです。歌詞のほとんどが英語なのですが、中学校で学習するレベルの単語しか使われていません。ハイな気分を表現するのには、詩的な比喩や難しい意味の言葉は必要ない…ということなのでしょう。
一方、本作『VIVA VIVA VIVA』が収録されているアルバム『ONE LOVE』には、『Fighting Spirit』や『夢遊病』といった、成功者ゆえの苦悩を語った、なかなかにヘビーで憂鬱気味な楽曲も収録されています。
こういった楽曲がアルバム『ONE LOVE』の主成分だと私は思っていますので、真逆のベクトルを行く本作『VIVA VIVA VIVA』を聴くと…なんというか、カラ元気を爆発させているようにも思えるんですよね。
本当は全然ハイな気分じゃないんだけど、無理やりテンションを上げているような、そんな感じ。
さっきまで「生きることは辛い」って言ってたのに、いきなりどうした?って。
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