2000年に終幕をし、長らく伝説のバンドとなっていましたが、2010年に活動を再開した『LUNA SEA』。
ヴィジュアル系というジャンルにおけるバンドアンサンブルの方針、特に、ツインギターの絡み方を打ち出したのは、このバンドではないでしょうか。『X JAPAN』と並び、後輩バンドへ大きな影響を与えたヴィジュアル系バンドの大御所です。
今回は、『LUNA SEA』の楽曲、『ROSIER』のレビューです。
※『LUNA SEA』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/LUNA SEA
『ROSIER』の全体概要
基本情報
アーティスト | LUNA SEA |
曲名 | ROSIER |
演奏時間 | 5:15 |
作詞 | LUNA SEA |
作曲 | LUNA SEA |
編曲 | LUNA SEA |
3rdシングル。
“バラ色の”という意味を持つ形容詞”rosy”という単語がありますが、その比較級が”rosier”。
『ROSIER』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
MOTHER | 2 |
SINGLES (Disc 1) | 3 |
PERIOD 〜THE BEST SELECTION〜 | 6 |
LUNA SEA COMPLETE BEST (Disc 1) | 3 |
LUNA SEA 25th Anniversary Ultimate Best -THE ONE- (DISC 2) | 3 |
オリジナルアルバム『MOTHER』の2曲目に収録。
シングルバージョンはフェードアウトして終わりますが、『MOTHER』収録のアルバムバージョンではフェードアウト無しで最後まで演奏されます。『SINGLES』を除くベストアルバムにはこちらのアルバムバージョンが収録されています。
※『ROSIER』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
『LUNA SEA』を代表する1曲と言うより、最早“ヴィジュアル系”というジャンルを代表する1曲と言っても過言ではない楽曲『ROSIER』。
…ええ、もちろん、異論は認めます。
元祖という観点で見れば、『X JAPAN』の『紅』こそがヴィジュアル系の代表曲と言えるでしょうし、お茶の間へのインパクトという観点であれば、『SHAZNA』の『Melty Love』や『PENICILLIN』の『ロマンス』に軍配が上がるかもしれません。
しかし、総合的に見たとき、ヴィジュアル系というジャンルを構成する“ヤンキー的なノリ”と“文科系的なノリ“の相容れなそうな二つの要素をうまく融合させて昇華させたのは、本作『ROSIER』が一つの到達点だと思うんです。
オラオラしているんだけど、それだけじゃない、どこか弱さも感じる、そんな世界観。
それから何と言っても、この『ROSIER』のリズムパターンがある種ヴィジュアル系的楽曲のお手本になっていると思われます。一つ前の小節に食い込む、前のめりなリズムパターンです。
かっこよく言えば、”小節間でシンコペーションしている”って表現になりますかね。
これを使っているヴィジュアル系的な楽曲は実に多い、そう感じます。
何はともあれ、結局『ROSIER』は単純にかっこいい楽曲で、それ故に後輩バンドに多大な影響を与えたってことなのでしょう。
前のめりながらもカチッとしたリズムの上で、縦横無尽にかつナルシスティックに動き回るSUGIZOのギターが個人的なツボです。
自由に振る舞うギターの押し引きの加減が絶妙で、『ROSIER』に影響を受けた後輩バンドもこれはなかなか真似できなかったんじゃないかなと思います。
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『ROSIER』収録アルバムレビューリンク
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