今や芸能人格付けチェックの常連というイメージが強い『GACKT』。その『GACKT』が在籍していたバンドが『MALICE MIZER』です。
音楽業界の中でも異端な扱いを受けがちなV系バンドですが、そんなV系バンドの中でも”魅せ方”という点で特に異端な存在を放っていたのが『MALICE MIZER』。度重なるメンバー入れ替えの末、2001年に活動を休止しました。
今回は『エーゲ〜過ぎ去りし風と共に〜』の個別楽曲レビューです。
※『MALICE MIZER』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/MALICE MIZER
『エーゲ〜過ぎ去りし風と共に〜』の全体概要
基本情報
アーティスト | MALICE MIZER |
曲名 | エーゲ〜過ぎ去りし風と共に〜 |
演奏時間 | 4:56 |
作詞 | Gackt.C |
作曲 | Mana |
編曲 | MALICE MIZER |
『エーゲ〜過ぎ去りし風と共に〜』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
merveilles | 6 |
オリジナルアルバム『merveilles』の6曲目に収録。
※『エーゲ〜過ぎ去りし風と共に〜』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
曲名の「エーゲ」とは、エーゲ海のことを指しているんでしょうかね。
ちなみに、エーゲ海とはギリシャとトルコの間にある海のことです。地理的には地中海の一部に属します。
本作『エーゲ〜過ぎ去りし風と共に〜』、穏やかな地中海の気候を表現するかのようにスローテンポな楽曲になっています。
アルペジオで楽曲の雰囲気を作っているところが意外とバンドらしい感じがしていいですね。
『MALICE MIZER』というバンドは曲名にフランス語を多用してリスナーの言語能力を試してくる傾向があるのですが、本作はフランスを少々離れた地域を舞台にしているようです。
曲名もリスナーフレンドリーな日本語になっており、『MALICE MIZER』としては異質な部類の楽曲なのかもしれません。
本作『エーゲ〜過ぎ去りし風と共に〜』、映写機の回転する音でオープニングを迎えます。
歌詞中に「記憶」や「あの時」といった言葉が何度か出てきますので、”映写機の回転”は“記憶を思い出す”という行動を暗に示しているのでしょう。ちょうど記憶の中にある出来事を、頭の中で映写しているかのような、そんな感じ。
“映画を見るのと同じくらい鮮明に思い出す”という表現とも取れるかもしれません。
実は、映写機の回転音はエンディングにも聴こえるんですよね。
映写機の回転音が鳴り続けたままフェードアウトしていくことを考えると、エンディングの方は“記憶にずっと浸り続けている”という状態を意味しているのかもしれません。
『エーゲ〜過ぎ去りし風と共に〜』収録アルバムレビューリンク
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