宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
アンダーグラウンドで知的で過激。当時の10代リスナーはある種の選民思想を抱きながら『PIERROT』の楽曲に耳を傾けていたのではないでしょうか。”『PIERROT』を聴かないなんて周りはわかってないなぁ”って。
…それは後の世で中二病と呼ばれるわけですが…。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『セルロイド』のレビューです。
※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT
『セルロイド』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | セルロイド |
演奏時間 | 4:02 |
作詞 | キリト |
作曲 | キリト |
編曲 | Pierrot & 奈良敏博 |
『セルロイド』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
CELLULOID | 1 |
インディーズ時代のミニアルバム、『CELLULOID』の1曲目に収録。
※『セルロイド』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
アルバム『CELLULOID』の1曲目にしてアルバム名と同じタイトルを持つ作品、『セルロイド』(英語と日本語の表記の違いはありますが)。このことから、本楽曲『セルロイド』がアルバム『CELLULOID』を統括するテーマを持つことが伺い知れます。
そのテーマとは、ずばり人間のエゴ…だと思います。
個人の間で発生するエゴもテーマの範囲内でしょうが、もう少し広い枠でのエゴを歌っているように感じます。
人間という種(しゅ)が他の生物に対して抱く優越感と言いますか。マンガの”寄生獣”で扱っているような、そんなタイプのエゴが、本楽曲『セルロイド』、ひいてはアルバム『CELLULOID』の根底にあるように思います。
この手の『PIERROT』独特なテーマを掲げるのは、前作『パンドラの匣』から引き続きといった感じですね。それでいて、アルバム『CELLULOID』は演奏面(録音面?)での技術向上が見られ、さらに素晴らしい出来になっています。
特に本楽曲『セルロイド』はベースの迫力が前作『パンドラの匣』収録曲とは段違い。うごめくような気味の悪いベース(褒め言葉)が最高です!『PIERROT』の楽曲にしては珍しく、チョッパー奏法も入っていますよね。無機質に叩きつけるようなこのチョッパーも、本楽曲『セルロイド』の無感情な雰囲気にピッタリです。
アルバム『CELLULOID』と言えば他の収録曲の方が人気のある印象なのですが、個人的には本楽曲『セルロイド』がかなりのお気に入りです。
楽曲のテーマとか雰囲気とか、『PIERROT』にしか作り出せない空気感が素敵。
『セルロイド』収録アルバムレビューリンク
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