宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
アンダーグラウンドで知的で過激。当時の10代リスナーはある種の選民思想を抱きながら『PIERROT』の楽曲に耳を傾けていたのではないでしょうか。”『PIERROT』を聴かないなんて周りはわかってないなぁ”って。
…それは後の世で中二病と呼ばれるわけですが…。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『Adolf』のレビューです。
※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT
『Adolf』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | Adolf |
演奏時間 | 3:54 |
作詞 | キリト |
作曲 | アイジ |
編曲 | Pierrot & 奈良敏博 |
ミニアルバム、『CELLULOID』収録曲の中で最も演奏時間の短い楽曲。
『Adolf』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
CELLULOID | 2 |
DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律- | 2 |
インディーズ時代のミニアルバム、『CELLULOID』の2曲目に収録。
そして再録ベストアルバムの『DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-』でも2曲目に収録されています。
※『Adolf』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
サビの過激な歌詞が印象的な楽曲、『Adolf』。
こんな歌詞の楽曲がかつてあったでしょうか…。本作『Adolf』のサビはどう見ても頭の狂った指導者のセリフです。放送禁止用語というわけではないのですが、オブラートに包み隠すことなくシンプルに狂った言葉を並べています。
私が本作『Adolf』を初めて耳にしたのは中学生の頃でしたが、当時中二病真っ盛りの自分ですら、ちょっとこの歌詞にはひきました 笑。ここまでストレートな言葉でこんなこと歌うのかと。
本作『Adolf』、アルバム『CELLULOID』収録曲の中でもかなりアップテンポ目な楽曲となっています。”アップテンポな楽曲”+”ストレートに狂った歌詞”という点では、前作『パンドラの匣』の『青い空の下…』に通じるものを感じますね。どちらもアルバムの2曲目ですし。
ただ、本作『Adolf』の方が楽曲の洗練度という意味では上回っているように思います。イントロのギターフレーズなんか、かっこよさが格段に上がっていません?(『Adolf』のイントロギターが私の好みなだけかもしれませんが)
あと、本作『Adolf』はサビに三三七拍子のリズムが取り入れられているのがおもしろいですね。スネアドラムに注目してもらえるとわかると思います。
しかし、本作『Adolf』は応援歌…というわけではないと思うのですが、なぜ三三七拍子が取り入れられているのでしょう。ここは謎です。
『Adolf』収録アルバムレビューリンク
※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT