宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
アンダーグラウンド界のカリスマボーカル”キリト”と、奇天烈なサウンドで世界観にいろどりを添えるバンド隊の組み合わせはまさに唯一無二の存在。90年代後半から00年代前半にかけて数々の奇作を世に送り出し、潜在的中二病患者の爆発的発病に多大な貢献をしました。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『Newborn Baby』のレビューです。
※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT
『Newborn Baby』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | Newborn Baby |
演奏時間 | 3:29 |
作詞 | キリト |
作曲 | キリト |
編曲 | Pierrot & 成田忍 |
『Newborn Baby』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
FINALE | 13 |
メジャー1stアルバム『FINALE』の13曲目に収録。
本作『Newborn Baby』がアルバム『FINALE』の最終トラックになります。
※『Newborn Baby』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
アルバム『FINALE』の12曲目『CHILD』で一連の物語が静かなエンディングを迎えたかと思いきや、その流れをぶち壊し、物語の新たな展開を予感させる楽曲が13曲目に登場します。
それが本作『Newborn Baby』。
『Newborn Baby』という曲名、直訳すれば”新生児”です。
“新生児”という言葉って、単なる”赤ちゃん”という言葉とは違って、どこかグロテスクなイメージを含んだ響きを持っているように思います。血まみれで泣き叫んでいる、産まれた直後のあの様子を想起するからでしょうかね。
本作『Newborn Baby』、そんな”新生児”という言葉の持つグロテスクな側面を強調したかのような楽曲に仕上がっています。気味の悪いリズムに乗せて気味の悪いギターリフが演奏される様子は、インディーズ時代の名作『脳内モルヒネ』をよりヘビーにしたかのような雰囲気です。
それから、アウトロの後に入っている“ウボッ…ブシャー”という呻き声(?)なんかは、人間というより、むしろエイリアン的な怪物という感じがします。このサウンドエフェクトは、『PIERROT』の楽曲史上でも一位、二位を争うほどのグロテスクさです(私の中で)。初めて聴いたときは、背筋が凍り付いたのをよく覚えています。
ちょっと楽曲そのものからは外れてしまうのですが、“たった今産まれた新生児が真のラスボスだぜ!”的な『Newborn Baby』のノリに、”パラサイト・イヴ”というゲームを思い出しました。
ホラーRPGっていうんでしょうかね。このゲームのラスボスはゲームタイトルになっている”イヴ”の産み出した新生児なのですが、この”新生児”のグラフィックが超絶グロいのです。。。
もし興味があれば、動画サイトで新生児誕生シーンのプレイ動画などを見てみてください。本作『Newborn Baby』の世界観とけっこうマッチしているなと感じてもらえるはずです。
『Newborn Baby』収録アルバムレビューリンク
※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT