個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】PIERROT/THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)

投稿日:2019年7月15日 更新日:

宗教的なカリスマ性中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。

このバンドが活躍していた90年代後半から00年代前半頃はまだ”中二病”という言葉が一般的ではありませんでしたが、今の基準で言えば”中二病”の定義にぴったり当てはまるバンドではないでしょうか。

そもそもヴィジュアル系というジャンルそのものが中二病患者にぶっ刺さりがちなのかもしれませんが、この『PIERROT』というバンドは中二病における幅広い症状(属性)に対応できるという点で特に多大な信者を生み出したものと思われます。

今回は、『PIERROT』の楽曲、『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』のレビューです。

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

dark

『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』の全体概要

基本情報

アーティストPIERROT
曲名THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)
演奏時間5:59
作詞キリト
作曲キリト
編曲PIERROT & 西脇辰弥

『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』収録アルバム

アルバム名トラック#
PRIVATE ENEMY1

メジャー2ndアルバム『PRIVATE ENEMY』の1曲目に収録。

※『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

“生命の誕生”“有罪による地獄行き”に見立てた作品、『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』。楽曲の内容がまさにそのまま曲名に現れています。

夢も希望も無い歌詞ですが、自己の生に対する疑問を抱き始めた中二病患者には鬼のようにぶっ刺さる楽曲に仕上がっています。

不気味な鼓動音で幕を開けるおどろおどろしいサウンドも”こんな音楽を聴くなんて、なんか悪いことしてる…!”的な感情を煽り倒すので、これまた中二病の求める”背徳的な特別感”を満たしてくれるという親切設計。

私がアルバム『PRIVATE ENEMY』に出会ったのも中学生の頃でしたので、まさにドンピシャで本作『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』に衝撃を受けたクチです。中二病真っただ中だった当時の私には『PIERROT』の作り出すこういった世界観にずいぶん酔いしれたものです。

あれから時は流れ、アラサーになった今では、さすがに当時のような情熱を持つことはできません。むしろ、”「有罪」とか「絶望」とか、大袈裟だな”なんて感じで、少しだけ冷めた目で本作『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』を見つめる自分がいることに気付きます。

幸か不幸か、中二病という病を克服した証拠なのでしょう。

これがあるべき大人の姿であるということは理解しつつ、何とも言えない寂しさを同時に感じるのもまた事実だったりします…。

『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』収録アルバムレビューリンク

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

-個別楽曲レビュー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】L’Arc〜en〜Ciel/Wind of Gold

日本を代表する説明不要のロックバンド、『L’Arc〜en〜Ciel』! かっこいい楽曲に加え、時々垣間見られるちょっとした遊び心が長い人気の秘訣ではないでしょうか。もちろん、ボーカルhyd …

【個別楽曲レビュー】LUNA SEA/WISH

2000年に終幕をし、長らく伝説のバンドとなっていましたが、2010年に活動を再開した『LUNA SEA』。 ヴィジュアル系というジャンルにおけるバンドアンサンブルの方針、特に、ツインギターの絡み方を …

【個別楽曲レビュー】X JAPAN/XCLAMATION

日本の音楽史を語る上で絶対に外すのことのできないバンド、『X JAPAN』。 YOSHIKI、Toshl、HIDEといったメンバーひとりひとりが持つ物語、バンドが歩んだ歴史、そして多くのロックキッズを …

【個別楽曲レビュー】GARNET CROW/Last love song

2013年、惜しまれながらも解散した『GARNET CROW』。 女性のボーカルとキーボード、男性のギターとキーボードという4人構成で活動していました。 丁寧に作りこまれたポップソングが『GARNET …

【個別楽曲レビュー】X JAPAN/GIVE ME THE PLEASURE

日本の音楽史を語る上で絶対に外すのことのできないバンド、『X JAPAN』。 YOSHIKI、Toshl、HIDEといったメンバーひとりひとりが持つ物語、バンドが歩んだ歴史、そして多くのロックキッズを …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。