個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】PIERROT/Newborn Baby

投稿日:2019年2月14日 更新日:

宗教的なカリスマ性中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。

アンダーグラウンド界のカリスマボーカル”キリト”と、奇天烈なサウンドで世界観にいろどりを添えるバンド隊の組み合わせはまさに唯一無二の存在。90年代後半から00年代前半にかけて数々の奇作を世に送り出し、潜在的中二病患者の爆発的発病に多大な貢献をしました。

今回は、『PIERROT』の楽曲、『Newborn Baby』のレビューです。

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

fetus

『Newborn Baby』の全体概要

基本情報

アーティストPIERROT
曲名Newborn Baby
演奏時間3:29
作詞キリト
作曲キリト
編曲Pierrot & 成田忍

『Newborn Baby』収録アルバム

アルバム名トラック#
FINALE13

メジャー1stアルバム『FINALE』の13曲目に収録。

本作『Newborn Baby』がアルバム『FINALE』の最終トラックになります。

※『Newborn Baby』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

アルバム『FINALE』の12曲目『CHILD』で一連の物語が静かなエンディングを迎えたかと思いきや、その流れをぶち壊し、物語の新たな展開を予感させる楽曲が13曲目に登場します。

それが本作『Newborn Baby』。

『Newborn Baby』という曲名、直訳すれば”新生児”です。

“新生児”という言葉って、単なる”赤ちゃん”という言葉とは違って、どこかグロテスクなイメージを含んだ響きを持っているように思います。血まみれで泣き叫んでいる、産まれた直後のあの様子を想起するからでしょうかね。

本作『Newborn Baby』、そんな”新生児”という言葉の持つグロテスクな側面を強調したかのような楽曲に仕上がっています。気味の悪いリズムに乗せて気味の悪いギターリフが演奏される様子は、インディーズ時代の名作『脳内モルヒネ』をよりヘビーにしたかのような雰囲気です。

それから、アウトロの後に入っている“ウボッ…ブシャー”という呻き声(?)なんかは、人間というより、むしろエイリアン的な怪物という感じがします。このサウンドエフェクトは、『PIERROT』の楽曲史上でも一位、二位を争うほどのグロテスクさです(私の中で)。初めて聴いたときは、背筋が凍り付いたのをよく覚えています。

ちょっと楽曲そのものからは外れてしまうのですが、“たった今産まれた新生児が真のラスボスだぜ!”的な『Newborn Baby』のノリに、”パラサイト・イヴ”というゲームを思い出しました。

ホラーRPGっていうんでしょうかね。このゲームのラスボスはゲームタイトルになっている”イヴ”の産み出した新生児なのですが、この”新生児”のグラフィックが超絶グロいのです。。。

もし興味があれば、動画サイトで新生児誕生シーンのプレイ動画などを見てみてください。本作『Newborn Baby』の世界観とけっこうマッチしているなと感じてもらえるはずです。

『Newborn Baby』収録アルバムレビューリンク

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

-個別楽曲レビュー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】JUDY AND MARY/motto

女性ボーカルに男性楽器隊という編成で平成の日本音楽史に数々のヒットソングを送り込んだバンド『JUDY AND MARY』。 1993年のメジャーデビュー後、6枚のオリジナルアルバムを残して2001年に …

【個別楽曲レビュー】ポケットビスケッツ/Interlude -青の住人-

テレビのバラエティー番組から生まれた音楽ユニット『ポケットビスケッツ』。 メンバーはウッチャンナンチャンの内村光良、千秋、キャイーンのウド鈴木の3人構成。『ポケットビスケッツ』はかなり昔に活動休止して …

【個別楽曲レビュー】X JAPAN/Rusty Nail

日本の音楽史を語る上で絶対に外すのことのできないバンド、『X JAPAN』。 YOSHIKI、Toshl、HIDEといったメンバーひとりひとりが持つ物語、バンドが歩んだ歴史、そして多くのロックキッズを …

【個別楽曲レビュー】hide/ever free

伝説のミュージシャン…その言葉が最も似合う日本人は、やはり『hide』ではないでしょうか。 カリスマバンド『X JAPAN』のギタリストというポジション、トレードマークの赤髪、ズバ抜けたセンス、そして …

【個別楽曲レビュー】LUNA SEA/Providence

2000年に終幕をし、長らく伝説のバンドとなっていましたが、2010年に活動を再開した『LUNA SEA』。 90年代後半はソロで大成したRYUICHIこと『河村隆一』のインパクトが良くも悪くもバンド …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。