個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】ゴールデンボンバー/腐男子

投稿日:2019年5月21日 更新日:

エアーバンドなる言葉を世に定着させた先駆者『ゴールデンボンバー』。通称”金爆(きんばく)”。

自分たちの好きなことをするため、あえてメジャーデビューを選ばずにインディーズで活動を続ける姿は、まさにロックと言えるのではないでしょうか。純粋にかっこいいと思えます。

今回は、『腐男子』の個別楽曲レビューです。

※『ゴールデンボンバー』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/ゴールデンボンバー

view

『腐男子』の全体概要

基本情報

アーティストゴールデンボンバー
曲名腐男子
演奏時間4:13
作詞鬼龍院翔
作曲鬼龍院翔
編曲tatsuo & 鬼龍院翔

『腐男子』収録アルバム

アルバム名トラック#
ゴールデン・アワー〜下半期ベスト2010〜5

『ゴールデン・アワー〜下半期ベスト2010〜』の5曲目に収録。

※『腐男子』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

いつもの”V系っぽい”ロック調のサウンドではなく、シンセサウンドを全面的に取り入れた一風変わった作品、『腐男子』。

この楽曲で用いられる『腐男子』という言葉ですが、これはいわゆる”腐女子的嗜好を持つ男性”のことではなく、”精神的にダメになってしまった男”という意味で使われているものと思われます。

本作『腐男子』、鬼龍院翔お得意のモテない男のひがみを歌ったものではなく、一人称の世界観を淡々と歌ったものになっています。”君”や”あなた”といった二人称は一切出てきません。あえて言えば、「世界」が本作中の二人称の代わりでしょうか。

そして、サウンドの雰囲気と歌詞の内容が本作『腐男子』独特の虚無感を作り上げており、それが非常に美しいです。

バンドサウンドではなくシンセサウンドが用いられていることで、空間的な広がり感情の無い機械的な冷たさを感じ取ることができます。これが本作『腐男子』独特の虚無感の正体の一つでしょう。ギターのうるさいバンドサウンドも好きですが、こういったタイプのシンセサウンドもいいですよね。

それから、具体的な言葉と、抽象的な精神世界を対比させた歌詞もすごくいいです。「自販機」、「コンビニ」といったごく身近な物体と、「僕」の心の間にある空白のギャップにこれまた大きな虚無感を感じます。「世界」を構成する要素である「自販機」や「コンビニ」は”物理的”には近くにあるのでしょうが、”精神的”にはとても遠くにある存在のように描かれているのが印象的です。

本作『腐男子』、上述のように『ゴールデンボンバー』としては一風変わった聴き心地の作品ですが、その完成度は非常に高いものに思われます。

個人的にですが、『ゴールデンボンバー』の楽曲の中で1位、2位を争うほどお気に入りの作品です。

Amazonで試聴できます。

『腐男子』収録アルバムレビューリンク

※『ゴールデンボンバー』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/ゴールデンボンバー

-個別楽曲レビュー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】THE YELLOW MONKEY/TEARS OF CHAMELEON (Mr. PAPER MOON)

2016年、申年に復活を遂げた『THE YELLOW MONKEY』!! バンド名からして皮肉たっぷりですが、楽曲もバンド名に負けず劣らずの皮肉な内容が多いです。ただ、しっかり芯を捉えた言葉は胸にとっ …

【個別楽曲レビュー】B’z/ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜

ボーカルの稲葉浩志とギターの松本孝弘による二人組ロックバンド『B’z』。 『B’z』に言及するからにはやはり避けて通れないのは数々の記録でしょう。その中でも日本におけるアーティ …

【個別楽曲レビュー】THE YELLOW MONKEY/砂の塔

2016年、申年に復活を遂げた『THE YELLOW MONKEY』!! ギラギラとした妖しい雰囲気はそのままに、復活後の彼らの楽曲には溢れんばかりの優しさを感じます。 離れ離れになっていた十数年とい …

【個別楽曲レビュー】hide/FLAME

伝説のミュージシャン…その言葉が最も似合う日本人は、やはり『hide』ではないでしょうか。 カリスマバンド『X JAPAN』のギタリストというポジション、トレードマークの赤髪、ズバ抜けたセンス、そして …

【個別楽曲レビュー】L’Arc〜en〜Ciel/ROUTE 666

日本を代表する説明不要のロックバンド、『L’Arc〜en〜Ciel』! かっこいい楽曲に加え、時々垣間見られるちょっとした遊び心が長い人気の秘訣ではないでしょうか。もちろん、ボーカルhyd …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。