宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
このバンドが活躍していた90年代後半から00年代前半頃はまだ”中二病”という言葉が一般的ではありませんでしたが、今の基準で言えば”中二病”の定義にぴったり当てはまるバンドではないでしょうか。
そもそもヴィジュアル系というジャンルそのものが中二病患者にぶっ刺さりがちなのかもしれませんが、この『PIERROT』というバンドは中二病における幅広い症状(属性)に対応できるという点で特に多大な信者を生み出したものと思われます。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『MASS GAME』のレビューです。
※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT
『MASS GAME』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | MASS GAME |
演奏時間 | 3:58 |
作詞 | キリト |
作曲 | キリト |
編曲 | PIERROT & 西脇辰弥 |
『MASS GAME』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
PRIVATE ENEMY | 4 |
メジャー2ndアルバム『PRIVATE ENEMY』の4曲目に収録。
※『MASS GAME』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
“大衆”に対する強烈な皮肉を送った作品『MASS GAME』。この楽曲が収録されている『PRIVATE ENEMY』というアルバム名と関連付けるなら、本作『MASS GAME』は”大衆”を”敵”とみなした作品と言えるかもしれません。
「多数決」なんていう一般的なポップスでは聞きなれない言葉が出てくるのですが、これに対して批判的なのもまた印象的。日本のロックシーンには珍しい、まさに社会派ロックという感じです。
一方で、ここまでストレートな社会派ソングというのが『PIERROT』ファンの望んでいたものかというと、ちょっとわかりませんね。
確かに私も『PIERROT』の皮肉に満ちた歌詞や、痛いところを突いた回りくどくも攻撃的な歌詞が好きなのですが、これほど具体的な言葉を使って社会を批判する楽曲というのは、なかなか素直に好きになりずらいところがあったりします。
きっと、所詮私なんかは抽象的な世界に浸る、底の浅い中二病止まりだったということなのでしょう。
歌詞の方は上述の通りの感想なのですが、本作『MASS GAME』のサウンド面は割と好きです。
“規則正しさ”と”狂気”が入り混じったようなバンドサウンドはまさに本作『MASS GAME』のテーマにぴったりだなと感じます。特にアウトロにおける”規則正しさ”と”狂気”の混在具合が素敵。
あと、忘れてはいけないのがサビで聴ける“喜怒哀ラァク!”。ここも妙に病みつきになる魅力があります 笑。
『MASS GAME』収録アルバムレビューリンク
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