宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
このバンドが活躍していた90年代後半から00年代前半頃はまだ”中二病”という言葉が一般的ではありませんでしたが、今の基準で言えば”中二病”の定義にぴったり当てはまるバンドではないでしょうか。
そもそもヴィジュアル系というジャンルそのものが中二病患者にぶっ刺さりがちなのかもしれませんが、この『PIERROT』というバンドは中二病における幅広い症状(属性)に対応できるという点で特に多大な信者を生み出したものと思われます。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『ATENA』のレビューです。
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『ATENA』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | ATENA |
演奏時間 | 4:49 |
作詞 | キリト |
作曲 | 潤 |
編曲 | PIERROT & 西脇辰弥 |
アルバム『PRIVATE ENEMY』収録曲の中で唯一の潤作曲作品。
『ATENA』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
PRIVATE ENEMY | 13 |
メジャー2ndアルバム『PRIVATE ENEMY』の13曲目に収録。
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レビュー
リアルな社会問題方面にこじらせた中二病楽曲が多く収録されているアルバム『PRIVATE ENEMY』において、割と現実離れしたファンタジー感の強い楽曲が本作『ATENA』。
この楽曲で描かれる”常識を破壊する救世主”的な世界観は、1stアルバム『FINALE』収録の『MAD SKY -鋼鉄の救世主-』に似たものを感じます。
この『MAD SKY -鋼鉄の救世主-』は『PIERROT』流ファンタジーの真骨頂的楽曲ですよね。本作『ATENA』は『MAD SKY -鋼鉄の救世主-』ほど知名度もインパクトもありませんが、歌詞で使われている単語やストーリーはどちらも共通するものがあるように思います。
楽曲的にも『PRIVATE ENEMY』の他の収録曲に比べると、けっこう大人しめな感じですかね。攻撃的なサウンドに乗せて頭を振るというより、キレイな音色のギターアルペジオと歪んだギターの絡みを楽しむような楽曲です。そういう意味では、伝統的なV系ツインギターの作品と言ってもいいかもしれません。
本作『ATENA』、『PRIVATE ENEMY』全体の雰囲気とはちょっと毛色の違う楽曲かもしれませんが、単体でつまみ食いして聴く分には割と好きな楽曲だったりします。
『ATENA』収録アルバムレビューリンク
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