日本を代表する説明不要のロックバンド、『L’Arc〜en〜Ciel』!
かっこいい楽曲に加え、時々垣間見られるちょっとした遊び心が長い人気の秘訣ではないでしょうか。もちろん、ボーカルhydeの美貌によるカリスマ的な影響力もすごいものがありますが。
今回は『In the Air』の個別楽曲レビューです。
※『L’Arc〜en〜Ciel』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/L’Arc〜en〜Ciel
『In the Air』の全体概要
基本情報
アーティスト | L’Arc〜en〜Ciel |
曲名 | In the Air |
演奏時間 | 4:51 |
作詞 | hyde |
作曲 | hyde |
編曲 | L’Arc〜en〜Ciel |
『In the Air』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
Tierra | 1 |
The Best of L’Arc〜en〜Ciel 1994-1998 | 1 |
QUADRINITY 〜MEMBER’S BEST SELECTIONS〜 (Disc 1 hyde best) | 7 |
TWENITY (1991-1996) | 5 |
オリジナルアルバム『Tierra』の1曲目に収録。
※『In the Air』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
丁寧に作りこまれたサウンドと世界観が素敵な1曲、『In the Air』。
メジャーデビュー後1stアルバム『Tierra』の1曲目を飾るのが”空中浮遊する「君」に見とれる「僕」“を歌う本作『In the Air』です。空と大地をテーマにした(と私は思っている)アルバム『Tierra』の幕開けにこの上なく相応しい楽曲ですね。
本作『In the Air』、”全編に渡って聴きどころ!”と言っても過言ではない名作なのですが、個人的には1番Aメロ1回目で聴ける助走からの離陸感がとても好きです。
ベースソロで幕を開け、少しずつ楽器が増えていきながらhydeが静かに歌うAメロまでが助走。そして、Aメロ1回目の終わりとともにhyde”アーッ”でギターとドラムが暴れ出して離陸する…という感じ。いやはや、たまらんです。
それから、本作『In the Air』は詞がとても綺麗ですよね。
特にAメロ冒頭の「背に刺さったナイフ」のくだりはhydeにしか描けない儚くも幻想的なシーンです。
ちなみに、『Gackt』の『Secret Garden』という楽曲にも「背に刺さったナイフ」のくだりが出てくるのですが、本作『In the Air』のオマージュなんですかね。さすがにこの独特な描写がゼロから生み出された上で偶然一致する…なんてことは無いと思うので…。
また、この「背に刺さったナイフ」のくだり、離陸の瞬間を幻想的に描いているものと思いますが、そのまま“「君」が「ナイフ」によって死んだことの描写”と受け取ってみても面白いのではないでしょうか。
こう考えると、続く「大地」への「口づけ」は、“地面に倒れこんで動かない様子”と捉えることができますね。「背中」に「ナイフ」が刺さり、そのまま正面に倒れる映像が浮かんできます。
極めつけはサビで歌われる“空中浮遊する「君」に見とれる「僕」”のシーンです。これはずばり、“死後の世界へ旅立つ「君」を見ている「僕」”と考えられるでしょう。
…上述の話は少々強引かもしれませんが、楽曲の冒頭で死の描写がされていると仮定すれば、割と無理なくここまで辿り着けるように思います。
本作『In the Air』が収録されているアルバム『Tierra』はこういった丁寧な世界観の楽曲が多数収録されていますので、hydeの比喩が何を描いているのか考えながら聴いてみるのも一つの楽しみ方ではないでしょうか。
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『In the Air』収録アルバムレビューリンク
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