宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
アンダーグラウンドで知的で過激。当時の10代リスナーはある種の選民思想を抱きながら『PIERROT』の楽曲に耳を傾けていたのではないでしょうか。”『PIERROT』を聴かないなんて周りはわかってないなぁ”って。
…それは後の世で中二病と呼ばれるわけですが…。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『HUMAN GATE』のレビューです。
※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT
『HUMAN GATE』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | HUMAN GATE |
演奏時間 | 5:53 |
作詞 | キリト |
作曲 | アイジ |
編曲 | Pierrot & 奈良敏博 |
『HUMAN GATE』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
CELLULOID | 6 |
DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律- | 10 |
インディーズ時代のミニアルバム、『CELLULOID』の6曲目に収録。本作『HUMAN GATE』がアルバム『CELLULOID』の最終トラックになります。
そして再録ベストアルバムの『DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-』には10曲目に収録されています。
同じく、こちらも本作『HUMAN GATE』が最終トラック(初回限定版盤を除く)。
※『HUMAN GATE』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
アルバム『CELLULOID』の最後を飾る1曲は、かつてないほどポジティブな作品『HUMAN GATE』。
ポジティブとは言え、そこは『PIERROT』の楽曲ですから、無責任になんでもかんでも肯定しているわけではありません。Aメロ~Bメロにかけては、どちらかと言えば“残念な現実”を並べています。そんな理想とかけ離れた無力な日々を踏まえ、サビでは「それでも生きていかなければ」と締めると。
この「生きていかなければ」という言葉、もうこれが全て、ポジティブの最たるものって感じがします。”生きていればいいことあるよ”なんて無責任なことは言いません。ただ、理由は無くとも「生きていかなければ」と歌っています。
“○○だから△△しよう”などと理由付けして何かを促すのではなく、とにかく生きることを肯定する。ポジティブというのは、本来そういうもののような気がします。
このシンプルなメッセージのせいか、楽曲自体もけっこうシンプルでキャッチーです。
音楽的には『セルロイド』や『脳内モルヒネ』辺りの濃いめの作品が私は好みですが、本作『HUMAN GATE』のようなシンプルでキャッチーな楽曲がアルバムに1曲あるのもいいですよね。
『HUMAN GATE』収録アルバムレビューリンク
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