キラキラしたかわいい女の子ではなく(失礼)、もっと素の女の子をシンプルなバンドサウンドで表現してきた『チャットモンチー』!
気づけば、数多く存在する部活動的雰囲気を持った現代ガールズバンドの元祖とも言える立ち位置になっています。
そんな『チャットモンチー』も、メンバー脱退を経てギターボーカルとベースの二人になり、すでにメジャーデビューから10年以上が経過しています。もはや、ガールズバンドという括りではおさまりきらないバンドなのではないでしょうか。
今回は、『世界が終わる夜に』のレビューです。
※『チャットモンチー』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/チャットモンチー
『世界が終わる夜に』の全体概要
基本情報
アーティスト | チャットモンチー |
曲名 | 世界が終わる夜に |
演奏時間 | 4:43 |
作詞 | 福岡晃子 |
作曲 | 橋本絵莉子 |
編曲 | チャットモンチー |
『チャットモンチー』の5thシングル。『とび魚のバタフライ』との両A面。
『世界が終わる夜に』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
生命力 | 4 |
チャットモンチー BEST〜2005-2011〜 | 8 |
BEST MONCHY 1 -Listening- (CD1) | 10 |
2ndフルオリジナルアルバム『生命力』に収録。
※『世界が終わる夜に』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
「神様」と「悪魔」の視点で眺めた世界を描いた1曲、『世界が終わる夜に』。
歌詞に使われる言葉の選び方のせいか、“絵本”のような世界観を感じます。
オチのない話というか、モヤっとした結末というか、言いたいことは言葉ではなくニュアンスや雰囲気で伝えるような、そんな感じが”絵本”っぽいなと。
MVがアニメーションなのも、そんな世界観の構築方法と無関係ではないように思います。
「神様」の視点と「悪魔」の視点、全く逆の立場の二つの視点ですが、どちらもこの世界に対して不満を持っているようです。
「神様」視点では、この世界は不平等すぎると考えているのかな。「神様」が世界を再構築するのなら、もっとみんな平等に幸せを享受できるような、そんな世界にしたがっているのかもしれません。
一方、「悪魔」視点では、この世界は優しすぎると考えているように思います。「悪魔」が世界を再構築するなら、もっと他人に無関心で各々が自己中心的な世界にしたいと思っていそうです。
なお、上記は本作『世界が終わる夜に』を聴いて私の感じたことです。歌詞には”不平等”とか”優しすぎる”とか、そんなワード出てきません。「神様」も「悪魔」もこの世界に不満を持っているらしいと、そこまでしか読み取れませんでした。
「神様」がこの世界に不満を持っているとしたら、あるいは、「悪魔」がこの世界に不満を持っているとしたら…そんなところを出発点に考えたことです。
ズバリの答えが言葉に現れていないところ、本作『世界が終わる夜に』を絵本っぽいなと感じるのはまさにここです。
『世界が終わる夜に』収録アルバムレビューリンク
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