90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
同郷の友人で組んだバンドが天下を取るという、少年漫画もびっくりの熱いストーリーも『GLAY』の魅力の一つです。青春をバンドにささげたロックキッズなら誰もが夢みる妄想を現実のものにしてしまったバンドと言えるでしょう。
もちろん、その成功の裏には我々の理解を超えた数々の苦悩があったのでしょうが…。
今回は、『GLAY』の楽曲、『HAPPY SWING』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
『HAPPY SWING』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | HAPPY SWING |
演奏時間 | 5:11 |
作詞 | TAKURO |
作曲 | TAKURO |
編曲 | GLAY & 佐久間正英 |
『HAPPY SWING』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
SPEED POP | 2 |
DRIVE-GLAY complete BEST (DISC 1) | 8 |
オリジナルアルバム『SPEED POP』の2曲目に収録。
※『HAPPY SWING』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
アルバム『SPEED POP』にて、インスト1曲目『SPEED POP(Introduction)』から繋がる先が本作『HAPPY SWING』。
インスト曲で始まるメジャー1stアルバムと言えば、『GLAY』の先輩バンドである『X JAPAN』の『BLUE BLOOD』や『LUNA SEA』の『IMAGE』なんかが思い浮かびます。
そして、そのインスト曲の流れで登場するのが『BLUE BLOOD(楽曲名)』、『Déjàvu』と、まさに各バンドの名刺代わりとも言える楽曲が登場するんですよね。
そういう意味では、アルバムの流れ的に『GLAY』にとって『BLUE BLOOD(楽曲の方)』や『Déjàvu』と同じ立ち位置と言えるのが本作『HAPPY SWING』です。確かに、本作『HAPPY SWING』は『GLAY』の名刺代わりと言える楽曲だと思います。
ポップな曲調もそうなんですが、やはり「HAPPY」というワードを何のためらいもなく使えるというところが『GLAY』らしいなと感じるところですね。
『GLAY』が『X JAPAN』や『LUNA SEA』と同じエクスタシーレコード出身のバンドとは言え、この『HAPPY SWING』という曲名を見るだけで『GLAY』が彼らとは異なる方向性のバンドだってことがわかると思います。『X JAPAN』や『LUNA SEA』は「HAPPY」なんて単語を使うイメージがありませんもん 笑。
ただ、本作『HAPPY SWING』、曲名のイメージから感じるほど”まっすぐな幸せ”を歌っているわけではありません。
なんというか、言葉の端々に皮肉を感じるんですよね。うまくいかない日常を無理やり「HAPPY」と思い込もうとしているような、そんな雰囲気があるのです。
そして、そういった感情がなかなかリアルだってことをアラサーになってやっとわかり始めました 笑。
若かりしときに『GLAY』にハマっていたけど、今ではすっかり遠のいてしまった方にはぜひ本作『HAPPY SWING』を聴き直してみてほしいです。
大人になった今だからこそ、「HAPPY」という言葉とは裏腹な皮肉にグッとくるものを感じるかもしれません。
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『HAPPY SWING』収録アルバムレビューリンク
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