90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
デビューから20年以上経つベテランバンドですが、長寿バンドに付きものの”メンバー間の確執”とは無縁なところも、もはや『GLAY』の個性と言えそうです。”平和なロックバンド”というある意味矛盾したフレーズですら納得して飲み込んでしまえる、そんな懐の深さを『GLAY』には感じますよね。
今回は、『GLAY』の個別楽曲、『生きがい』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
『生きがい』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | 生きがい |
演奏時間 | 5:56 |
作詞 | TAKURO |
作曲 | TAKURO |
編曲 | GLAY& 佐久間正英 |
『生きがい』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
HEAVY GAUGE | 11 |
DRIVE-GLAY complete BEST (DISC 2) | 2 |
REVIEW II -BEST OF GLAY- (TERU盤) | 10 |
オリジナルアルバム『HEAVY GAUGE』の11曲目に収録。
アルバム『HEAVY GAUGE』の非シングル曲としては『DRIVE-GLAY complete BEST』にて唯一ベストアルバム収録を経験しています。
※『生きがい』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
本作『生きがい』、“この楽曲のキーワードってなんだろう?”と考えてみました。
『生きがい』という前向きに思えるタイトルが付いているのですが、私の中でしっくりきたキーワードは「疲れ」という言葉でした。
本作『生きがい』のサビのド頭に出てくる言葉です。しかも、1番と3番、それぞれのサビで形を変えて「疲れ」という言葉が登場しています。
思うに、『生きがい』なんて言葉を意識するときって、きっと心は少なからず不安定な状態のはずです。
何の迷いもなく、ただ己の信じるままに突き進んでいくことができるのであれば、『生きがい』なんて言葉を頭の中に浮かべる必要はないはずですから。
それよりも、無我夢中で忙しい日々を泳ぎ切り、「疲れ」を感じながらもふと思い出す言葉、それが『生きがい』という4文字なんだと思うのです。
“こんなに身体も心も酷使して、いったい何のために生きてるんだっけ…?”っていう瞬間、『生きがい』ってそんなときに意識する言葉ではないでしょうか。
なので、本作『生きがい』のキーワードについて考えて、「疲れ」という答えにたどり着いたのは、至極真っ当で自然なことのように思います。
もう少し言えば、本作『生きがい』という楽曲は、”『生きがい』って何だっけ?”に対する回答を歌うのが主題ではないように思うのです。
もちろん、1番のサビで『生きがい』に対する回答は歌っていますが(「日々の暮らしの~」という箇所)、それよりも、“『生きがい』について思い巡らせざるを得ない状況”というのが本作で主に歌われている内容ではないでしょうか。
つまり、疲れ果ててボロボロになった人間の姿、疲れ果てながらも生きていくために必要な理由を探し求める姿、それが本作『生きがい』で描かれているメインテーマだと思っています。
そんな人間臭いドラマを感じさせる本作『生きがい』、アルバム『HEAVY GAUGE』収録曲の中で、特に私のお気に入りの楽曲です。
『生きがい』収録アルバムレビューリンク
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