90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
デビューが『X JAPAN』のYOSHIKIプロデュースだったこともあり、ヴィジュアル系というカテゴリーに分類されることが多いバンドですが、音楽性は完全にJ-POPのそれ。
メンバー間の仲の良さがにじみ出る優しい楽曲に心癒された方も多いのではないでしょうか。
今回は、『GLAY』の楽曲、『口唇』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
『口唇』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | 口唇 |
演奏時間 | 3:36 |
作詞 | TAKURO |
作曲 | TAKURO |
編曲 | GLAY & 佐久間正英 |
11thシングル。
本作『口唇』で『GLAY』はシングル初のオリコン第1位を獲得しました。累計売上枚数は約99万枚。
曲名の読み方は”くちびる”。
“唇”という漢字1字で”くちびる”と読むので、PCなどで”くちびる”と打っても”口唇”に変換できません。”口唇”と打ちたい場合、本来の読み方、”こうしん”と打って変換すると”口唇”が変換候補に出てきます。
『口唇』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
REVIEW-BEST OF GLAY | 7 |
DRIVE-GLAY complete BEST (DISC 1) | 2 |
THE GREAT VACATION VOL.2 〜SUPER BEST OF GLAY〜 (Disc 1) | 14 |
REVIEW II -BEST OF GLAY- (TAKURO盤) | 9 |
オリジナルアルバム未収録で全てベストアルバムでの収録。
『THE GREAT VACATION VOL.2 〜SUPER BEST OF GLAY〜』ではシングルとは異なり、ピアノイントロが追加されたバージョンになっています。
※『口唇』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
イントロなしで、いきなりサビから始まるところにインパクトを感じる1曲、『口唇』。
『GLAY』の中では『誘惑』と並ぶ知名度を持つ、ロックな楽曲ですね。
『口唇』も『誘惑』も曲名が漢字二文字という見た目にわかりやすい共通点があります。さらにどちらもサビから始まり、どちらも曲中で転調をするという点も共通しています。
逆に『口唇』と『誘惑』の違いですが、本作『口唇』の方が電子音のピコピコが目立つ感じがします。
上でも少し触れましたが、『口唇』の特徴の一つとして、転調があげられます。
まぁ、J-POPの世界では転調自体はそんなに珍しいものでは無いんですけどね。例えば、最後のサビだけ半音上に転調してクライマックスを盛り上げてみたり、といった具合に。
ただ、本作『口唇』の転調はよくあるJ-POPのそれとは少し違います。
なんと、“最初のサビだけ転調していない”のです!
これはどういうことか、もう少し具体的に書きましょう。
イントロなしで始まる最初のサビのキーはCm。続くAメロ、BメロもCm。その後のサビでEmに転調。間奏、ギターソロでまたCmに戻り、同じキーでBメロへ。そして最後のサビでまたEmに転調。
つまるところ、最初のサビだけAメロなどと同じキーのCmで、2回目以降のサビは全てEmになっているのです。
イントロなしで始まるサビで『口唇』という曲のおいしい部分を披露したかと思いきや、”まだ本命は隠れていたんだぜ!”とでも言わんばかりに飛び出す転調した2回目のサビ。
これこそ『口唇』のスリリングなかっこよさを生み出している秘訣だと思います。
…まぁ、文章で説明してもこの魅力はうまく伝わらないと思います。なので、未試聴の方は是非“最初のサビ”と“2回目のサビ”に注目して聴いてみてください。
『口唇』収録アルバムレビューリンク
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