90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
ヒットソングだけを取り出してみれば、確かに耳馴染みの良い王道J-POPな楽曲で溢れていますが、ひとたび『GLAY』の世界へ足を踏み入れると、そこには成功者ゆえの苦悩に満ちた孤独の世界を垣間見ることができます。
そこは我々凡人にとっては到底辿り着ける境地ではありませんが、その途方に暮れるほどの景色を、TAKUROの紡ぐ言葉とメロディーによって私たちもほんの少しだけ追体験できるような気がします。
今回は、『GLAY』の楽曲、『Prize』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
『Prize』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | Prize |
演奏時間 | 3:07 |
作詞 | HISASHI |
作曲 | HISASHI |
編曲 | GLAY & 佐久間正英 |
ギターのHISASHIが作詞作曲を担当した楽曲。
『Prize』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
ONE LOVE | 9 |
オリジナルアルバム『ONE LOVE』の9曲目に収録。
※『Prize』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
作詞作曲をHISASHIが担当した楽曲がアルバムに収録されるのはアルバム『ONE LOVE』が初めて。
『ONE LOVE』におけるHISASHI作詞作曲の作品は、本作『Prize』と#12 『電気イルカ奇妙ナ嗜好』の2曲が収録されています。
TERUが歌えば間違いなく『GLAY』の楽曲になるのですが、やはりHISASHIの作る作品はTAKUROのそれとは大きく違いますね。
メロディーについて言えば、やはりTAKUROのものはキャッチーで、サビが来れば”いかにもサビです!”って感じのメロディーを作り出します。『GLAY』がミリオンヒットを連発できたのも、このTAKUROの紡ぐキャッチーなサビのメロディーあってのものでしょう。
一方、HISASHIの作るメロディーは、Aメロ、もしくはBメロに一番かっこいいメロディーがやってきて、サビは意外と落ち着いているという印象です。本作『Prize』もサビよりBメロの方がかっこいいメロディーを使っている気がします。
それから、何と言っても言葉使いは大きく違いますよね。
HISASHIはTAKUROが使わないであろうワードを歌詞にバンバン放り込んできます 笑。
本作『Prize』についても、テーマはラブソングなのでしょうけど、その表現方法はTAKUROとはまるで異なります。
HISASHIは、けっこう具体的な言葉、それでいて、歌詞にはあまり使われなさそうな言葉をチョイスしている印象です。本作『Prize』で言えば、「愛猫」とか「鼈甲(べっこう)」とか。
こういった言葉で組み立てた歌詞が、HISASHIオリジナルなおもしろさを生み出しているのでしょうね。
Amazonで試聴できます。
『Prize』収録アルバムレビューリンク
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