伝説のミュージシャン…その言葉が最も似合う日本人は、やはり『hide』ではないでしょうか。
カリスマバンド『X JAPAN』のギタリストというポジション、トレードマークの赤髪、ズバ抜けたセンス、そして若くして迎えてしまった死…。
『hide』を聴いたことがある人なら、おそらく誰しも思ったんじゃないでしょうか、”今も生きてたら、どんなことして楽しませてくれてたんだろう”って。
今回は、『ピンク スパイダー』のレビューです。
※『hide』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/hide
『ピンク スパイダー』の全体概要
基本情報
アーティスト | hide with Spread Beaver |
曲名 | ピンク スパイダー |
演奏時間 | 3:41 |
作詞 | hide |
作曲 | hide |
編曲 | hide |
9thシングルの表題曲。『hide with Spread Beaver』名義としては2ndシングルに当たります。『hide』の死の直後に発売され、彼の代表曲となった1曲です。
『hide』の所属していたモンスターバンド『X JAPAN』でも成しえなかったシングルでのミリオンヒットを、本作『ピンク スパイダー』が達成しました。
『ピンク スパイダー』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
Ja,Zoo | 4 |
hide BEST 〜PSYCHOMMUNITY〜 | 7 |
hide SINGLES 〜Junk Story〜 | 10 |
KING OF PSYBORG ROCK STAR | 11 |
We Love hide 〜The Best in The World〜 (DISC 1) | 2 |
オリジナルアルバム『Ja,Zoo』の4曲目に収録。
『KING OF PSYBORG ROCK STAR』にはライブバージョンで収録されています。
※『ピンク スパイダー』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
「スパイダー」を主人公に、第三者と彼の視点を交えながら歌われる楽曲、『ピンク スパイダー』。
物語風の構成を取っており、「憧れ」「挑戦」「失敗」「再出発」の順に話が進んでいきます。
『hide』の代表曲ということもあり、言葉選びのセンスが光る1曲でもあります。
特に私が好きな一節は1番Aメロに出てくる「君は空が…」という部分です。“狭い世界で生きている”ってことをこんな風に表現できるなんて、どういう発想なんだろうって思わされます。
それから『hide』ソロサウンド特有の機械チックなバンドサウンドと、「スパイダー」という曲のテーマが非常に良くマッチしていますよね。
蜘蛛が足をゆっくりと動かしながら進んでいく様子って、8本の足が規則正しく動いていて、けっこうメカニカルだと思うんですよ。そのメカニカルな蜘蛛の動きのイメージと、『hide』の機械チックなバンドサウンドが見事に合致していて、ここに『hide』にしか表現できない世界観が完成されているように思います。
そして極めつけは「ピンク」という形容詞ですね。
上述の”蜘蛛”と”機械”による完璧な世界観を作り上げた上に、さらに「ピンク」という真逆なイメージの形容詞をくっつけて『ピンク スパイダー』と名付けるだなんて…。
もはや常人の発想では永遠にたどり着けない領域です。
1998年当時にここまで到達してしまっていた『hide』。本当に、今も生きてたら…と思ってしまいます。
『ピンク スパイダー』収録アルバムレビューリンク
※『hide』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/hide