エアーバンドなる言葉を世に定着させた先駆者『ゴールデンボンバー』。通称”金爆(きんばく)”。
自分たちの好きなことをするため、あえてメジャーデビューを選ばずにインディーズで活動を続ける姿は、まさにロックと言えるのではないでしょうか。純粋にかっこいいと思えます。
今回は、『イヤホン』の個別楽曲レビューです。
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『イヤホン』の全体概要
基本情報
アーティスト | ゴールデンボンバー |
曲名 | イヤホン |
演奏時間 | 3:23 |
作詞 | 鬼龍院翔 |
作曲 | 鬼龍院翔 |
編曲 | tatsuo & 鬼龍院翔 |
『イヤホン』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
ゴールデン・アワー〜下半期ベスト2010〜 | 1 |
『ゴールデン・アワー〜下半期ベスト2010〜』の1曲目に収録。
※『イヤホン』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
“この歌よ、君に届け…!”系ソング、『イヤホン』。
テーマ自体はさほど珍しいものではありませんが、曲名の通り『イヤホン』という着眼点が素敵です。
音楽を聴くために多くの人が使用する『イヤホン』に言及することで、”この歌よ、君に届け…!”というテーマが非常にリアリティを持って伝わってくるんですよね。本作『イヤホン』を聴いていると、“今まさに、このイヤホンを通じて届いてきてるよー!キリショー!”って気持ちになれるのです!
そして一番気持ちいいのは2:09のファンによる合唱(っぽい)パートですよね。
激しい曲調がピタッと止んで、「あぁ君にー…」というファンらしき女性たちの合唱が1フレーズだけ流れます。時間してわずか数秒ですが、ここが本当に気持ちいい。
歌詞の内容的には、イヤホン越しに歌を届けようとしている張本人(=鬼龍院翔)が歌うべき箇所だと思うのですが、この一番大事なところをあえて自分ではなく見知らぬ大勢に歌わせることで、”この歌よ、君に届け…!”系ソングにありがちな“一人でスベってる感”を打ち消しているような気がします。
いくら”君に届け”という歌詞を歌われも、リスナーが”いや、頼んでないし”と思ってしまえば、歌っている側の情熱は空回りに終わってしまうんですよね。歌い手とリスナー側に温度差が存在すると、”この歌よ、君に届け…!”系ソングはけっこうスベって聴こえます。
一方、本作『イヤホン』は、楽曲の途中に見知らぬ大勢の合唱を投入し、大事なフレーズを歌わせることで、少なくとも歌い手の情熱が彼女たちに届いているという空間を演出しています。こうすることで、歌い手の”君に届け”という情熱が一人で空回りしてスベっているという状況を強制的に回避しているのでしょう。
この仮想的なやり取りにリスナーも心を動かされてしまうというのが、本作『イヤホン』の合唱パートを気持ちよく感じる理由かもしれません。
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