ボーカルとベースの二人組という珍しい組み合わせのバンド、『黒夢』。
ヴィジュアル系にカテゴライズされるイメージがありますが、その音楽性はアルバムをリリースする度にガラッと変わっており、一つのジャンルで括ることはなかなかに難しいバンドです。
今回は、『黒夢』の楽曲、『ROCK ‘N’ ROLL』のレビューです。
※『黒夢』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/黒夢
『ROCK ‘N’ ROLL』の全体概要
基本情報
アーティスト | 黒夢 |
曲名 | ROCK ‘N’ ROLL |
演奏時間 | 3:19 |
作詞 | 清春 |
作曲 | 人時 |
編曲 | 黒夢 |
『ROCK ‘N’ ROLL』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
CORKSCREW | 8 |
メジャー7thアルバム『CORKSCREW』の8曲目に収録。
※『ROCK ‘N’ ROLL』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
パンクで攻撃的なアルバム『CORKSCREW』の中、珍しくミディアムテンポで仕上げられた#7 『TELL』の後にやってくるのが、本作『ROCK ‘N’ ROLL』。
一旦『TELL』で落ち着いたかと思いきや、すぐにギアを切り替えて再び攻撃的でスピード感のあるパンクな楽曲がやってきます。
アルバム『CORKSCREW』の収録曲数は14曲ですので、#8の本作『ROCK ‘N’ ROLL』が丁度折り返し後の後半戦一発目に相当します。このタイミングで”ギアの切り替え”というのは、曲順的にも妥当なように思えますね。
この楽曲について気になるのは、やはり『ROCK ‘N’ ROLL』というズバリな曲名ではないでしょうか。見てわかる通り、音楽のジャンルの一つを、そのまま曲名に持ってきています。
一見すると”これぞ『黒夢』のロックンロールだ!”という意味で名付けられたタイトルのように思えますが、歌詞を見る限り、そうではなさそう。
AメロやBメロの歌詞から察するに、”ロックンロールを売り物にしている「IDOL BAND」に対する嫌悪感”、それが本作で歌われている内容だと思われます。
「IDOL BAND」というと、どういうバンドを想像しますかね?かわいい女の子たちが格好だけ楽器を持ち、演奏しているフリをしているようなバンドでしょうか…?
本作『ROCK ‘N’ ROLL』が収録されているアルバム『CORKSCREW』がリリースされた1998年という時代を鑑みて考えると、歌詞に出てくる「IDOL BAND」というのは、当時のV系バンドのことを指してるのではないでしょうか。
1998年当時はV系バンドがかなり流行っていましたので、そんなブームに乗って出てきた、化粧だけは立派で全然ロックじゃないバンドのことを批判的に歌ったものが本作『ROCK ‘N’ ROLL』ではないかと。
まぁ、『黒夢』はV系批判を歌詞に盛り込んでいることで有名ですので、特に驚くべき話ではありませんね。
少々ゲスですが、“いったいどのバンドのことを批判しているのか?”という目線で聴くのも本作『ROCK ‘N’ ROLL』の楽しみ方の一つでしょう 笑。
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