宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
このバンドが活躍していた90年代後半から00年代前半頃はまだ”中二病”という言葉が一般的ではありませんでしたが、今の基準で言えば”中二病”の定義にぴったり当てはまるバンドではないでしょうか。
そもそもヴィジュアル系というジャンルそのものが中二病患者にぶっ刺さりがちなのかもしれませんが、この『PIERROT』というバンドは中二病における幅広い症状(属性)に対応できるという点で特に多大な信者を生み出したものと思われます。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『不謹慎な恋』のレビューです。
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『不謹慎な恋』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | 不謹慎な恋 |
演奏時間 | 4:08 |
作詞 | キリト |
作曲 | キリト |
編曲 | PIERROT & 西脇辰弥 |
『不謹慎な恋』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
PRIVATE ENEMY | 6 |
メジャー2ndアルバム『PRIVATE ENEMY』の6曲目に収録。
※『不謹慎な恋』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
まず、何って『不謹慎な恋』という曲名がいいですよね。
“普通のラブソングなんか聴いてられるか!”という中二病患者の興味を惹きつけるには十分な文字列です。事実、当時中学生だった私もガッツリこの曲名に引き寄せられた人間の一つでした 笑。
さて、本作『不謹慎な恋』の内容ですが、とにかく「グロテスクな恋」というサビのキラーフレーズが印象的です。
「グロテスクな恋」って具体的にいったいなんだ?って感じですけどね。曲名の『不謹慎な恋』と同様、中二病の症状を呈している患者にグサッと突き刺さる絶妙な言葉の組み合わせではありますが。
そして、この「グロテスクな恋」の実行を提案してるのが“イカれた紳士”ふうな感じなのです。すごく丁寧な言葉づかいで頭のおかしいことを口走ると言いますか、これまでの『PIERROT』にはないタイプのキャラクターが出てきたなという印象。
とは言え、アルバム『PRIVATE ENEMY』では#4 『MASS GAME』、#5 『AGITATOR』と政治色の強い楽曲が続きますので、6曲目のタイミングで本作のような中二病ド真ん中らしい作品が来ると”いつもの”的な安心感を抱くのもまた事実。
最後のフレーズに自主規制音(ピー音)の入った言葉が出てきますが、まさにそのワード通りの『PIERROT』らしい作風だと思います。
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