宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
このバンドが活躍していた90年代後半から00年代前半頃はまだ”中二病”という言葉が一般的ではありませんでしたが、今の基準で言えば”中二病”の定義にぴったり当てはまるバンドではないでしょうか。
そもそもヴィジュアル系というジャンルそのものが中二病患者にぶっ刺さりがちなのかもしれませんが、この『PIERROT』というバンドは中二病における幅広い症状(属性)に対応できるという点で特に多大な信者を生み出したものと思われます。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『ゲルニカ』のレビューです。
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『ゲルニカ』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | ゲルニカ |
演奏時間 | 5:04 |
作詞 | キリト |
作曲 | キリト |
編曲 | PIERROT & 西脇辰弥 |
『ゲルニカ』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
PRIVATE ENEMY | 9 |
メジャー2ndアルバム『PRIVATE ENEMY』の9曲目に収録。
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レビュー
ピカソの描いた有名な絵画の一つである“ゲルニカ”。ドイツ空軍によって爆撃されたスペインの都市”ゲルニカ”を主題としたものと言われています。
非常に不気味なこの白黒の絵画は、一度見たら忘れられないほど印象的ですよね。
そして、このピカソの作品をモチーフにして作られたと思われる楽曲が本作『ゲルニカ』です。
いやぁ、なんというか、『PIERROT』は中二病センサーに反応する言葉を選ぶのがうまいですよね。
『ゲルニカ』…!
まず、この”ゲルニカ”という語感、これがいいです。中二病患者がボソッと呟きそうな、何とも言えないナルシスティックな響きがあります 笑。
そして、”ゲルニカ”と名付けられたあのグロテスクな絵画。もう、完璧です。普通なら避けたくなるようなものに対して興味を示さずにはいられない中二病患者は、こういった絵画に目がありません。
語感と背景、『ゲルニカ』はその両方で中二病指数100点満点を獲得できる言葉と言ってよいでしょう。
さて、『PIERROT』の楽曲である本作『ゲルニカ』ですが、あの絵画のイメージ通り、ハードで重ためのサウンドに仕上がっています。
歌詞の内容は絵画の”ゲルニカ”を説明するように歌う箇所と、この絵画の様子を現代に投影する箇所とに分かれています。
現代に投影する箇所は”ゲルニカ”を引き合いにした警告といった感じですね。アルバム『PRIVATE ENEMY』の収録曲らしく、はっきりとした主張が本作『ゲルニカ』でもなされているという印象です。
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