宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
このバンドが活躍していた90年代後半から00年代前半頃はまだ”中二病”という言葉が一般的ではありませんでしたが、今の基準で言えば”中二病”の定義にぴったり当てはまるバンドではないでしょうか。
そもそもヴィジュアル系というジャンルそのものが中二病患者にぶっ刺さりがちなのかもしれませんが、この『PIERROT』というバンドは中二病における幅広い症状(属性)に対応できるという点で特に多大な信者を生み出したものと思われます。
今回は、『PIERROT』の楽曲、『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』のレビューです。
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目次
『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』の全体概要
基本情報
アーティスト | PIERROT |
曲名 | THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY) |
演奏時間 | 5:59 |
作詞 | キリト |
作曲 | キリト |
編曲 | PIERROT & 西脇辰弥 |
『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
PRIVATE ENEMY | 1 |
メジャー2ndアルバム『PRIVATE ENEMY』の1曲目に収録。
※『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
“生命の誕生”を“有罪による地獄行き”に見立てた作品、『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』。楽曲の内容がまさにそのまま曲名に現れています。
夢も希望も無い歌詞ですが、自己の生に対する疑問を抱き始めた中二病患者には鬼のようにぶっ刺さる楽曲に仕上がっています。
不気味な鼓動音で幕を開けるおどろおどろしいサウンドも”こんな音楽を聴くなんて、なんか悪いことしてる…!”的な感情を煽り倒すので、これまた中二病の求める”背徳的な特別感”を満たしてくれるという親切設計。
私がアルバム『PRIVATE ENEMY』に出会ったのも中学生の頃でしたので、まさにドンピシャで本作『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』に衝撃を受けたクチです。中二病真っただ中だった当時の私には『PIERROT』の作り出すこういった世界観にずいぶん酔いしれたものです。
あれから時は流れ、アラサーになった今では、さすがに当時のような情熱を持つことはできません。むしろ、”「有罪」とか「絶望」とか、大袈裟だな”なんて感じで、少しだけ冷めた目で本作『THE FIRST CRY IN HADES (GUILTY)』を見つめる自分がいることに気付きます。
幸か不幸か、中二病という病を克服した証拠なのでしょう。
これがあるべき大人の姿であるということは理解しつつ、何とも言えない寂しさを同時に感じるのもまた事実だったりします…。
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