2000年代後半、一部の世間をざわつかせた(?)不思議系おしゃれバンド『相対性理論』!
実験的な言葉選びとアレンジが非常に個性的です。
最初のミニアルバム『シフォン主義』の発表から10年以上が経過した現在、当時の勢いを感じられていないというのが正直なところ。もう一度我々をざわつかせてくれる日を待っています。
今回は、『シンクロニシティーン』の3曲目『人工衛星』のレビューです。
※『相対性理論』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/相対性理論
『人工衛星』の全体概要
基本情報
アーティスト | 相対性理論 |
曲名 | 人工衛星 |
演奏時間 | 2:49 |
作詞 | 永井聖一 & ティカ・α |
作曲 | 永井聖一 |
編曲 | ? |
作曲はギター担当の永井聖一。作詞にクレジットされているティカ・αはボーカル担当のやくしまるえつこの別名義。
『人工衛星』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
シンクロニシティーン | 3 |
『シンクロニシティーン』の3曲目に収録されています。
※『人工衛星』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
本作『人工衛星』の歌詞に出てくる「マギオン」とは、チェコの人工衛星の名前です。サビにはチェコの首都、「プラハ」というワードも出てきます。
「プラハ」で「流れ星」を見たと言っていますが、これは人工衛星「マギオン」のことを指しているのかもしれません。なかなか、おしゃれですよね。
そう、本作『人工衛星』はこれまでの『相対性理論』の楽曲に比べると、歌詞が詩的で割と王道なおしゃれさを持っているんです。以前のアルバム『シフォン主義』や『ハイファイ新書』の全楽曲で作詞を担当していた真部脩一が携わっていないからでしょうか。
これまでとは違うカラーが感じられます。
ただ、その王道的おしゃれさの副作用と言いますか、本作『人工衛星』は正直インパクトの薄い楽曲でもある印象です。
一度聴いたら頭の中を支配するほど強烈なメロディーと言葉の組み合わせが『相対性理論』の武器だと思うのですが、『人工衛星』にはそれが感じられませんでした。
するすると流れるようなメロディーと、おしゃれな歌詞の組み合わせは確かにやくしまるえつこの声に合っているので、『相対性理論』の新しい方向性の一つとしてはアリだとは思いますけどね。
…うん、まぁ、アリだとは思うんですが、『人工衛星』を聴いてコレジャナイって思ったリスナーも多々いたのではないかな、なんてことを思ってしまいます。
離れて初めて分かると言いますか、真部脩一の作る印象的なメロディーと言葉の組み合わせ方って実はすごい才能だったのかもしれないと、改めて感じる1曲でもあります。
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