90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
ヒットソングだけを取り出してみれば、確かに耳馴染みの良い王道J-POPな楽曲で溢れていますが、ひとたび『GLAY』の世界へ足を踏み入れると、そこには成功者ゆえの苦悩に満ちた孤独の世界を垣間見ることができます。
そこは我々凡人にとっては到底辿り着ける境地ではありませんが、その途方に暮れるほどの景色を、TAKUROの紡ぐ言葉とメロディーによって私たちもほんの少しだけ追体験できるような気がします。
今回は、『GLAY』の楽曲、『電気イルカ奇妙ナ嗜好』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
『電気イルカ奇妙ナ嗜好』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | 電気イルカ奇妙ナ嗜好 |
演奏時間 | 2:33 |
作詞 | HISASHI |
作曲 | HISASHI |
編曲 | GLAY & 佐久間正英 |
ギターのHISASHIが作詞作曲を担当した楽曲。
本作『電気イルカ奇妙ナ嗜好』がアルバム『ONE LOVE』収録曲の中で最も演奏時間の短い楽曲になります。
『電気イルカ奇妙ナ嗜好』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
ONE LOVE | 12 |
オリジナルアルバム『ONE LOVE』の12曲目に収録。
※『電気イルカ奇妙ナ嗜好』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
作詞作曲をHISASHIが担当した楽曲がアルバムに収録されるのはアルバム『ONE LOVE』が初めて。
『ONE LOVE』におけるHISASHI作詞作曲の作品は、本作『Prize』と#12 『電気イルカ奇妙ナ嗜好』の2曲が収録されています。
本来ひらがなであるべき文字をカタカナにし、漢字を交えた曲名と言えば、『GLAY』インディーズ時代の名作、『千ノナイフガ胸ヲ刺ス』を思い出します。
『千ノナイフガ胸ヲ刺ス』と同じ表記法を使った本作『電気イルカ奇妙ナ嗜好』も、『千ノナイフガ胸ヲ刺ス』と同様に曲名のインパクトはかなり大きいですね。
ただ、曲調という面に関しては『千ノナイフガ胸ヲ刺ス』と『電気イルカ奇妙ナ嗜好』の間に何も共通点はありません。
前者は割と激しめなロックですが、本作『電気イルカ奇妙ナ嗜好』は意外にも穏やかでキャッチーな楽曲です。幼児向けアニメのオープニングテーマに使われていそうなくらい、曲名からは想像つかないほど平和な雰囲気が漂っています。
この手の楽曲は確かにTAKUROでは作れなさそうですが、かと言ってHISASHI作詞作曲というのもなかなかに意外な感じがしています。HISASHIの作る楽曲って、けっこうマニアックなイメージがありますので。
まぁ、『電気イルカ奇妙ナ嗜好』という少々物騒な曲名は、間違いなくHISASHIのセンスだと思いますが 笑。
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『電気イルカ奇妙ナ嗜好』収録アルバムレビューリンク
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