個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】hide/ピンク スパイダー

投稿日:2017年10月5日 更新日:

伝説のミュージシャン…その言葉が最も似合う日本人は、やはり『hide』ではないでしょうか。

カリスマバンド『X JAPAN』のギタリストというポジション、トレードマークの赤髪、ズバ抜けたセンス、そして若くして迎えてしまった死…。

『hide』を聴いたことがある人なら、おそらく誰しも思ったんじゃないでしょうか、”今も生きてたら、どんなことして楽しませてくれてたんだろう”って。

今回は、『ピンク スパイダー』のレビューです。

※『hide』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/hide

building

『ピンク スパイダー』の全体概要

基本情報

アーティストhide with Spread Beaver
曲名ピンク スパイダー
演奏時間3:41
作詞hide
作曲hide
編曲hide

9thシングルの表題曲。『hide with Spread Beaver』名義としては2ndシングルに当たります。『hide』の死の直後に発売され、彼の代表曲となった1曲です。

『hide』の所属していたモンスターバンド『X JAPAN』でも成しえなかったシングルでのミリオンヒットを、本作『ピンク スパイダー』が達成しました。

『ピンク スパイダー』収録アルバム

アルバム名トラック#
Ja,Zoo4
hide BEST 〜PSYCHOMMUNITY〜7
hide SINGLES 〜Junk Story〜10
KING OF PSYBORG ROCK STAR11
We Love hide 〜The Best in The World〜 (DISC 1)2

オリジナルアルバム『Ja,Zoo』の4曲目に収録。

『KING OF PSYBORG ROCK STAR』にはライブバージョンで収録されています。

※『ピンク スパイダー』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

「スパイダー」を主人公に、第三者と彼の視点を交えながら歌われる楽曲、『ピンク スパイダー』。

物語風の構成を取っており、「憧れ」「挑戦」「失敗」「再出発」の順に話が進んでいきます。

『hide』の代表曲ということもあり、言葉選びのセンスが光る1曲でもあります。

特に私が好きな一節は1番Aメロに出てくる「君は空が…」という部分です。“狭い世界で生きている”ってことをこんな風に表現できるなんて、どういう発想なんだろうって思わされます。

それから『hide』ソロサウンド特有の機械チックなバンドサウンドと、「スパイダー」という曲のテーマが非常に良くマッチしていますよね。

蜘蛛が足をゆっくりと動かしながら進んでいく様子って、8本の足が規則正しく動いていて、けっこうメカニカルだと思うんですよ。そのメカニカルな蜘蛛の動きのイメージと、『hide』の機械チックなバンドサウンドが見事に合致していて、ここに『hide』にしか表現できない世界観が完成されているように思います。

そして極めつけは「ピンク」という形容詞ですね。

上述の”蜘蛛”と”機械”による完璧な世界観を作り上げた上に、さらに「ピンク」という真逆なイメージの形容詞をくっつけて『ピンク スパイダー』と名付けるだなんて…。

もはや常人の発想では永遠にたどり着けない領域です。

1998年当時にここまで到達してしまっていた『hide』。本当に、今も生きてたら…と思ってしまいます。

『ピンク スパイダー』収録アルバムレビューリンク

※『hide』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/hide

-個別楽曲レビュー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】the brilliant green/There will be love there -愛のある場所-

『the brilliant green』はもっと評価されるべき!! UKロック風のバンドサウンドとアンニュイなのにメルヘン感のある川瀬智子のボーカルの絶妙な組み合わせは唯一無二です! そんな『the …

【個別楽曲レビュー】JUDY AND MARY/Over Drive

女性ボーカルに男性楽器隊という編成で平成の日本音楽史に数々のヒットソングを送り込んだバンド『JUDY AND MARY』。 1993年のメジャーデビュー後、6枚のオリジナルアルバムを残して2001年に …

【個別楽曲レビュー】the brilliant green/I’M SO SORRY BABY

『the brilliant green』はもっと評価されるべき!! UKロック風のバンドサウンドとアンニュイなのにメルヘン感のある川瀬智子のボーカルの絶妙な組み合わせは唯一無二です! そんな『the …

【個別楽曲レビュー】GARNET CROW/夏の幻

2013年、惜しまれながらも解散した『GARNET CROW』。 女性のボーカルとキーボード、男性のギターとキーボードという4人構成で活動していました。 丁寧に作りこまれたポップソングが『GARNET …

【個別楽曲レビュー】GLAY/RAIN

90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。 同郷の友人で組んだバンドが天下を取るという、少年漫画もびっくりの熱いストーリーも『GLAY』の魅力の一つです。青春を …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。