90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
デビューから20年以上経つベテランバンドですが、長寿バンドに付きものの”メンバー間の確執”とは無縁なところも、もはや『GLAY』の個性と言えそうです。”平和なロックバンド”というある意味矛盾したフレーズですら納得して飲み込んでしまえる、そんな懐の深さを『GLAY』には感じますよね。
今回は、『GLAY』の個別楽曲、『FATSOUNDS』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
『FATSOUNDS』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | FATSOUNDS |
演奏時間 | 3:50 |
作詞 | TAKURO |
作曲 | TAKURO |
編曲 | GLAY& 佐久間正英 |
本作『FATSOUNDS』がアルバム『HEAVY GAUGE』の中で最も演奏時間の短い作品になります。
『FATSOUNDS』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
HEAVY GAUGE | 2 |
REVIEW II -BEST OF GLAY- (HISASHI盤) | 12 |
オリジナルアルバム『HEAVY GAUGE』の2曲目に収録。
※『FATSOUNDS』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
本作『FATSOUNDS』、直訳すれば”太った音”といったところですかね。辞書を引く限り、『FATSOUNDS』という一語が存在するわけではなさそうですので、『GLAY』の造語という線が濃厚です。
もしくは、機材の名前とか。エフェクターなんかにありそうな名前だなとは思いますが…どうでしょう 笑。
作品の内容自体は『GLAY』らしいロックンロールナンバー。
アルバム『HEAVY GAUGE』は演奏時間の長めな楽曲が多いようで、本作『FATSOUNDS』が唯一の演奏時間3分台の楽曲となっています。
『GLAY』の商業的絶頂期に出た『HEAVY GAUGE』というアルバムの特徴だと思うのですが、このアルバムの収録曲には一歩退いた視点で『GLAY』を見つめた楽曲というのが多い気がします。
本作『FATSOUNDS』もその視点で作られた楽曲の一つでしょう。
Aメロに出てくる「新記録」だの「戦略」だのといった言葉は、次々に日本の音楽史を塗り替えていく『GLAY』を一歩退いた目で見つめたために生まれたもののように思います。
そして曲中に何度も出てくる「WHERE DO ROCKBAND…」というフレーズ。これも『GLAY』を指した言葉と考えてよさそうです。”こんなに記録をどんどん塗り替えていって、いったい『GLAY』というバンドは何がしたいの?ロックバンドとしてこれでいいの?”という思いが込められたフレーズ、もう少し言えば、自身の現状を皮肉ったフレーズと言えるでしょう。
4分弱の時間の中で颯爽と通り過ぎていく楽曲のように思えますが、『GLAY』というバンドの当時の悩みが詰まった、意外と重たい楽曲。
そういった感想を私は本作『FATSOUNDS』に対して持っています。
『FATSOUNDS』収録アルバムレビューリンク
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