90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
デビューから20年以上経つベテランバンドですが、長寿バンドに付きものの”メンバー間の確執”とは無縁なところも、もはや『GLAY』の個性と言えそうです。”平和なロックバンド”というある意味矛盾したフレーズですら納得して飲み込んでしまえる、そんな懐の深さを『GLAY』には感じますよね。
今回は、『GLAY』の個別楽曲、『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
目次
『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜 |
演奏時間 | 4:36 |
作詞 | TAKURO |
作曲 | TAKURO |
編曲 | GLAY& 佐久間正英 |
『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
HEAVY GAUGE | 12 |
オリジナルアルバム『HEAVY GAUGE』の12曲目に収録。
本作『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』がアルバム『HEAVY GAUGE』の最終トラックになります。
※『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
曲名にも出てきている「サヴィル ロウ」とはロンドンに存在する通りの名前。高級紳士服店の多さから、この地名が日本語の”背広(せびろ)”の語源になったという説もあります。
ただ、もちろんながら本作『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』はスーツについて歌った楽曲ではありません。
この「サヴィル ロウ」にはあの『The Beatles』のレコード会社であるアップル・コア本部があり、その所在地が「3番地」であることから、本作の曲名の言わんとするものはこちらの方でしょう。
そんな音楽史的に重要な地点の名前を曲名に冠しながらも、本作『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』で歌っているものは“TAKUROのとある日常”です。
これを…どう捉えますかね。
すごく性格悪く見るとすると、”サヴィル ロウへ行くのも日常の範囲と言えるほど成功しました”という自慢ソングと捉える考えもあるかもしれません。今風の事象で言うなら、意識高い系の人が、”偉い人と六本木でディナーしました”なんてことをわざわざSNSに書くような感じでしょうか。
そんな意味が含まれているとしたら、ちょっと下品で『GLAY』らしくないですよね。でも、そういった要素が本作『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』に含まれている可能性はゼロじゃないと思います。事実、当時の『GLAY』は日本音楽史の記録を次々と塗り替えていましたから。
…まぁ、上述の意識高い系の例えほど嫌味ったらしくは表現されてはいませんが 笑。
それよりも本作『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』で伝えたいことは、“成功したけど変わっていない部分”でしょう。
確かにロンドンへ行くことは簡単にできるほど成功したけど、未だ変わらずにちっぽけな存在だよ、と…。
ヒットに次ぐヒットを飛ばした『GLAY』の90年代末期。その締めくくりとして1999年にリリースされたアルバム『HEAVY GAUGE』。
そのラストを飾る楽曲が本作『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』であることを考えると、当時の『GLAY』の置かれていた立ち位置が見えてくるのではないでしょうか。
『Savile Row 〜サヴィル ロウ 3番地〜』収録アルバムレビューリンク
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