個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】LUNA SEA/FALLOUT

投稿日:2018年9月3日 更新日:

2000年に終幕をし、長らく伝説のバンドとなっていましたが、2010年に活動を再開した『LUNA SEA』。

後世に与えた音楽的影響度もさることながら、ファンのことを“SLAVE”と呼称し、”バンドとファンが作り上げる閉鎖的空間”というヴィジュアル系独特の文化を創り出したのも『LUNA SEA』が先駆けだったのではないでしょうか。

今回は、『LUNA SEA』の楽曲、『FALLOUT』のレビューです。

※『LUNA SEA』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/LUNA SEA

glass

『FALLOUT』の全体概要

基本情報

アーティストLUNA SEA
曲名FALLOUT
演奏時間6:58
作詞LUNA SEA
作曲LUNA SEA
編曲LUNA SEA

4thシングル『TRUE BLUE』のカップリング曲。

『FALLOUT』収録アルバム

アルバム名トラック#
SINGLES (Disc 2)4

※『FALLOUT』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

演奏時間7分に迫る大作、『FALLOUT』。

トータルの演奏時間もさることながら、イントロの時点で1分半近くもある作品です。

このイントロ、約1分半の尺を使いながらも、なんと口ずさめるメロディーがありません。ギターが印象的なメロディーを奏でるわけではなく、ただただアルペジオとコードで聴かせるイントロになっているのです。

アルペジオがメロディーを奏でていると言えばそうなのですが、本作『FALLOUT』のイントロは短いモチーフを延々と繰り返すタイプのアルペジオになっていますので、口ずさめるメロディーという範疇には入らないと思います。

つまるところ、ギター、ベース、ドラムが作り出すバンドサウンドの雰囲気で1分半のイントロを聴かせているというわけです。

本作『FALLOUT』のように、”バンドサウンドの雰囲気で聴かせる”というのが『LUNA SEA』のかっこいいところである一方、このバンドに対する”取っ付きにくさ”の一因であるような気もします。

厳密な定義は置いておいて、一般的なヴィジュアル系バンドの代表格という意味で『X JAPAN』、『GLAY』、『L’Arc〜en〜Ciel』、そして『LUNA SEA』あたりが比較されがちですよね。

この中で『LUNA SEA』が一番マニアックっぽい立ち位置なのも、上述のような”バンドサウンドの雰囲気で聴かせる”という一般受けしにくい(=取っ付きにくい)アプローチを採用しているからなんじゃないかなと思います。

ちょっと話はそれましたが、本作『FALLOUT』は一般受けしにくいタイプの楽曲であり、玄人向けの作品と言えそうです。

一方、本作『FALLOUT』の魅力がピンと来る方なら『LUNA SEA』のどんな楽曲もかなり深いレベルで楽しめるのではないでしょうか。

最後に、本作『FALLOUT』のイントロについて再度。

イントロ開始から徐々に楽器が増えていくのですが、この楽器の追加順があの名作『LOVELESS』と同じ(ギター→ドラム→ベース)なのです!

『FALLOUT』も『LOVELESS』もそうですが、リズムを司るベースが最後に追加されるというのが、けっこう特徴的だと思いません?

Amazonで試聴できます。

『FALLOUT』収録アルバムレビューリンク

※『LUNA SEA』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/LUNA SEA

-個別楽曲レビュー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】MALICE MIZER/〜de merveilles

今や芸能人格付けチェックの常連というイメージが強い『GACKT』。その『GACKT』が在籍していたバンドが『MALICE MIZER』です。 音楽業界の中でも異端な扱いを受けがちなV系バンドですが、そ …

【個別楽曲レビュー】THE YELLOW MONKEY/BURN

2016年、申年に復活を遂げた『THE YELLOW MONKEY』!! 流行りに左右されない、媚びないロックサウンドが大好きです!! 復活してからも、変わらずにギラギラした妖しいロックを奏でていって …

【個別楽曲レビュー】黒夢/ROCK ‘N’ ROLL

ボーカルとベースの二人組という珍しい組み合わせのバンド、『黒夢』。 ヴィジュアル系にカテゴライズされるイメージがありますが、その音楽性はアルバムをリリースする度にガラッと変わっており、一つのジャンルで …

【個別楽曲レビュー】Every Little Thing/JIRENMA

J-POPのお手本のような楽曲を連発したユニット、『Every Little Thing』。 特に90年代後半の五十嵐充プロデュース時代の楽曲は、ビーイング系のバンドっぽいサウンドと小室ファミリーのダ …

【個別楽曲レビュー】GARNET CROW/HAPPY DAYS?

2013年、惜しまれながらも解散した『GARNET CROW』。 女性のボーカルとキーボード、男性のギターとキーボードという4人構成で活動していました。 丁寧に作りこまれたポップソングが『GARNET …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。