2000年に終幕をし、長らく伝説のバンドとなっていましたが、2010年に活動を再開した『LUNA SEA』。
後世に与えた音楽的影響度もさることながら、ファンのことを“SLAVE”と呼称し、”バンドとファンが作り上げる閉鎖的空間”というヴィジュアル系独特の文化を創り出したのも『LUNA SEA』が先駆けだったのではないでしょうか。
今回は、『LUNA SEA』の楽曲、『FALLOUT』のレビューです。
※『LUNA SEA』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/LUNA SEA
『FALLOUT』の全体概要
基本情報
アーティスト | LUNA SEA |
曲名 | FALLOUT |
演奏時間 | 6:58 |
作詞 | LUNA SEA |
作曲 | LUNA SEA |
編曲 | LUNA SEA |
4thシングル『TRUE BLUE』のカップリング曲。
『FALLOUT』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
SINGLES (Disc 2) | 4 |
※『FALLOUT』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
演奏時間7分に迫る大作、『FALLOUT』。
トータルの演奏時間もさることながら、イントロの時点で1分半近くもある作品です。
このイントロ、約1分半の尺を使いながらも、なんと口ずさめるメロディーがありません。ギターが印象的なメロディーを奏でるわけではなく、ただただアルペジオとコードで聴かせるイントロになっているのです。
アルペジオがメロディーを奏でていると言えばそうなのですが、本作『FALLOUT』のイントロは短いモチーフを延々と繰り返すタイプのアルペジオになっていますので、口ずさめるメロディーという範疇には入らないと思います。
つまるところ、ギター、ベース、ドラムが作り出すバンドサウンドの雰囲気で1分半のイントロを聴かせているというわけです。
本作『FALLOUT』のように、”バンドサウンドの雰囲気で聴かせる”というのが『LUNA SEA』のかっこいいところである一方、このバンドに対する”取っ付きにくさ”の一因であるような気もします。
厳密な定義は置いておいて、一般的なヴィジュアル系バンドの代表格という意味で『X JAPAN』、『GLAY』、『L’Arc〜en〜Ciel』、そして『LUNA SEA』あたりが比較されがちですよね。
この中で『LUNA SEA』が一番マニアックっぽい立ち位置なのも、上述のような”バンドサウンドの雰囲気で聴かせる”という一般受けしにくい(=取っ付きにくい)アプローチを採用しているからなんじゃないかなと思います。
ちょっと話はそれましたが、本作『FALLOUT』は一般受けしにくいタイプの楽曲であり、玄人向けの作品と言えそうです。
一方、本作『FALLOUT』の魅力がピンと来る方なら『LUNA SEA』のどんな楽曲もかなり深いレベルで楽しめるのではないでしょうか。
最後に、本作『FALLOUT』のイントロについて再度。
イントロ開始から徐々に楽器が増えていくのですが、この楽器の追加順があの名作『LOVELESS』と同じ(ギター→ドラム→ベース)なのです!
『FALLOUT』も『LOVELESS』もそうですが、リズムを司るベースが最後に追加されるというのが、けっこう特徴的だと思いません?
Amazonで試聴できます。
『FALLOUT』収録アルバムレビューリンク
※『LUNA SEA』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/LUNA SEA