『the brilliant green』はもっと評価されるべき!!
UKロック風のバンドサウンドとアンニュイなのにメルヘン感のある川瀬智子のボーカルの絶妙な組み合わせは唯一無二です!
そんな『the brilliant green』のメンバ構成は女性ボーカルとベースの2人組となっています。元々は3人組でしたが、2010年にギターが脱退して今の形になりました。
今回は、『the brilliant green』の個別楽曲、『長いため息のように』のレビューです。
※『the brilliant green』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/the brilliant green
『長いため息のように』の全体概要
基本情報
アーティスト | the brilliant green |
曲名 | 長いため息のように |
演奏時間 | 5:42 |
作詞 | 川瀬智子 |
作曲 | 奥田俊作 |
編曲 | the brilliant green |
6thシングル。
タイトル通り、演奏時間も結構「長い」です。
『長いため息のように』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
TERRA2001 | 11 |
complete single collection ’97-’08 | 6 |
2ndアルバム『TERRA2001』の11曲目(最終トラック)に収録。
※『長いため息のように』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
本作『長いため息のように』、基本は今までと変わらず左チャンネルに歪んだギター、右チャンネルにアコースティックギターを配置したUKロック風サウンドですが、これまでのシングルに比べると、落ち着いた雰囲気の1曲になっています。
本作『長いため息のように』のイントロには、1stシングルの『Bye Bye Mr.Mug』のようなかっこいいコードストロークで始まるわけでもなく、5thシングルの『そのスピードで』のような覚えやすいメロディもありません。
左チャンネルでは8分でコードを刻みながら、右チャンネルで効果音風の伸びやかなギターが聴こえるという、一聴しただけでは印象に残らないような作りになっています。
ただ、この右チャンネルの効果音風なギター、よく聴くと伸びやかに揺れながら消えていっていることがわかります。何度も聴くうちにこのギターがまさに「長いため息」を表現しているように聴こえてきます!
歌が入り、Aメロ、Bメロと進むにつれて、イントロで作った「長いため息」な雰囲気を壊さないようにエレキピアノやストリングスが入ってきます。歌い方もいい塩梅でアンニュイな成分を長いため息に混ぜ込んできます。
そして、サビ。
これまで築いてきた「長いため息」な雰囲気の流れを引き継ぎながら、かといって地味すぎない絶妙な広がりを聴かせてくれます。
高音で譜割りの細かいメロディラインとそれを歌う川瀬智子のボーカルのメルヘン感、そしてこの雰囲気の中で突然現れる「I will be happy」という言葉。でも決して無理やりとってつけたような歌詞ではありません。
曲の流れ、雰囲気の微妙な変化の中にこの言葉の必然性を感じます。
本作『長いため息のように』、派手さを排除して、雰囲気作りに徹することに挑戦した1曲なのではないでしょうか。
『the brilliant green』でしか味わえない、胸が締め付けられるような感覚を与えてくれます。
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『長いため息のように』収録アルバムレビューリンク
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