90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
シングル、アルバムともにミリオンヒットを連発し、商業的な成功という意味においては、『GLAY』のデビューをプロデュースしたあのYOSHIKI率いる『X JAPAN』を超えたと言っても過言ではないでしょう。(もちろん、CDがたくさん売れた方が偉いとか、そういった話をつもりはないです。あくまで数字的な観点で。)
今回は、『GLAY』の楽曲、『春を愛する人』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY

『春を愛する人』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | 春を愛する人 |
演奏時間 | 5:02 |
作詞 | TAKURO |
作曲 | TAKURO |
編曲 | GLAY& 佐久間正英 |
初収録はアルバム『BELOVED』ですが、その後、11thシングル『口唇』のカップリングとして収録されています。
『春を愛する人』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
BELOVED | 9 |
DRIVE-GLAY complete BEST (DISC 2) | 10 |
rare collectives vol.1 (Disc-1) | 8 |
THE GREAT VACATION VOL.2 〜SUPER BEST OF GLAY〜 (Disc 1) | 13 |
MUSIC LIFE (BALLADE BEST☆MELODIES) | 8 |
REVIEW II -BEST OF GLAY- (TAKURO盤) | 8 |
オリジナルアルバム『BELOVED』の9曲目に収録。
非シングル表題曲でありながら、様々なベストアルバムに収録されています。ただし、売れに売れたベストアルバム『REVIEW-BEST OF GLAY』には未収録。
※『春を愛する人』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
『GLAY』の曲名って、例えば『千ノナイフガ胸ヲ刺ス』なんかを見てもわかるように、正直ダサいと感じるものが多々あります(このダサさ、一周回って”かわいい”と私は思うんですが、それはまた別の話)。
しかし、本作『春を愛する人』はなかなかセンスのいい曲名ではありませんかね?ちょっとした小説のタイトルみたいです。
女「ねえねえ、おれくんの好きな曲って何?」
男「おれ?そうだな、GLAYの春を愛する人…かな」
女「え…素敵!」
…という感じの会話も難なく成立こと間違いなし!
カッコつけたい場面でこの曲の名前を出しても、全然大丈夫な響きです。
一方、『千ノナイフガ胸ヲ刺ス』では、ちょっとこうは行きませんよ。
女「ねえねえ、おれくんの好きな曲って何?」
男「おれ?そうだな、GLAYの千ノナイフガ胸ヲ刺ス…かな」
女「え…チョット ナニイッテルカ ワカンナイデス コワイ」
せっかくの会話もこんな感じの反応で終わってしまうでしょう…(誤解なきよう言っておきますが、私は『千ノナイフガ胸ヲ刺ス』という楽曲に恨みがあるわけではありません)。
それはさておき、本作『春を愛する人』、曲名に”春”とついていながら、歌詞中に“桜”という言葉が一言も出てこないんですよね。春をテーマにした邦楽にしては珍しいパターンです。
しかし、こういった、安易な桜礼賛ソングではないところが、『春を愛する人』の名作たる所以なのではと思います。
「生きてく事」に対して、『GLAY』らしい優しい結論を教えてくれる『春を愛する人』。それでいて、曲調は深刻にならずかつ壮大過ぎず、いい意味で耳当たりの良いポップスに仕上がっているのがいいですね。
何度でも聴きたくなる、間違いない名曲です!
『春を愛する人』収録アルバムレビューリンク
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