90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
シングル、アルバムともにミリオンヒットを連発し、商業的な成功という意味においては、『GLAY』のデビューをプロデュースしたあのYOSHIKI率いる『X JAPAN』を超えたと言っても過言ではないでしょう。(もちろん、CDがたくさん売れた方が偉いとか、そういった話をつもりはないです。あくまで数字的な観点で。)
今回は、『GLAY』の楽曲、『カナリヤ』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
『カナリヤ』の全体概要
基本情報
アーティスト | GLAY |
曲名 | カナリヤ |
演奏時間 | 6:52 |
作詞 | TAKURO |
作曲 | JIRO |
編曲 | GLAY& 佐久間正英 |
作曲は『GLAY』のメインコンポーザーTAKUROではなく、ベースのJIROが担当。
演奏時間は7分に迫る長さ。アルバム『BELOVED』の中では最も演奏時間の長い楽曲です。
『カナリヤ』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
BELOVED | 6 |
MUSIC LIFE (BALLADE BEST☆MEMORIES) | 2 |
REVIEW II -BEST OF GLAY- (TERU盤) | 13 |
オリジナルアルバム『BELOVED』の6曲目に収録。
※『カナリヤ』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
ベース担当のJIROが作曲したバラードソングが本作『カナリヤ』。
『カナリヤ』が収録されているアルバム『BELOVED』には、同じくJIRO作曲の『SHUTTER SPEEDSのテーマ』も収録されていますが、『SHUTTER SPEEDSのテーマ』の方は縦ノリでグイグイ盛り上げる楽曲ですので、同じ作曲者とは言え、本作『カナリヤ』とは全く異なる聴き心地がします(なお、ベストアルバムの収録状況などを見ると、『SHUTTER SPEEDSのテーマ』の方がファンからの人気は高そうです)。
歌の内容は『GLAY』の故郷、函館を想った歌詞になっているようです。東京での成功をつかんだ当時の『GLAY』、その視点で見た故郷函館を歌にしているという感じですね。
この“成功者”という視点は、前作のアルバム『BEAT out!』に収録されていた『軌跡の果て』と共通する部分かもしれません。
『GLAY』、ひいてはTAKUROの書く成功者視点の歌って、けっこう沁みるんですよね。成功者のみが感じるであろう苦悩、その描かれ方が上手いというか絶妙というか。
私みたいな成功者とは程遠いところにいるリスナーでも、なんだか切ない気持ちになる、そんな説得力を感じます。
本作『カナリヤ』、そんなTAKUROならではの歌詞とJIROの作るメロディーが織りなす、まさに『GLAY』オリジナルな1曲です。
『カナリヤ』収録アルバムレビューリンク
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