個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】THE YELLOW MONKEY/審美眼ブギ

投稿日:

2016年、申年に復活を遂げた『THE YELLOW MONKEY』!!

ギラギラした妖しい容姿、歌謡曲風の曲調、核心を突いた歌詞…そのどれもが絶妙なバランスの上に成り立つ唯一無二のバンドです。

一度の解散を経て今では”生涯解散することはない”と宣言していますが、この絶妙なバランスを保ったまま長く続いていく奇跡を信じています。

今回は、アルバム『EXPERIENCE MOVIE』の7曲目、『審美眼ブギ』のレビューです。

※『THE YELLOW MONKEY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/THE YELLOW MONKEY

『審美眼ブギ』の全体概要

基本情報

アーティストTHE YELLOW MONKEY
曲名審美眼ブギ
演奏時間3:52
作詞吉井和哉
作曲吉井和哉
編曲THE YELLOW MONKEY

『審美眼ブギ』収録アルバム

アルバム名トラック#
EXPERIENCE MOVIE7
TRIAD YEARS THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY (act II)3

オリジナルアルバム『EXPERIENCE MOVIE』の7曲目に収録。

※『審美眼ブギ』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

メジャー1stアルバム『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE』が期待通りの評価を得られなかったことを皮肉ったと言われるのが本作『審美眼ブギ』。

不甲斐ない自分自身を皮肉るではなく、完全なる他者に対して皮肉を飛ばすというのはイエモンにしては珍しい作風だなという印象です。

“メジャー1stアルバムが期待通りの評価を得られなかった”ということらしいですが、客観的な数値はどうなっているのでしょう。オリコンチャートの順位と累計売上枚数を見てみます。

  • アルバム名:THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE
  • オリコンチャート最高位:79位
  • 累計売上枚数:約8000枚

…なるほど、確かに”評価された”とは言い難い数字ですね…。

累計売上枚数に関しては、チャート圏外で地味に枚数を稼いでいる可能性はありますが、いずれにせよ”評価された”と言える数字にはならないと思います。

一方、本作『審美眼ブギ』が収録されているアルバム『EXPERIENCE MOVIE』の客観的な数値はどうだったのでしょう。『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE』と同じ観点で見てみると…

  • アルバム名:EXPERIENCE MOVIE
  • オリコンチャート最高位:80位
  • 累計売上枚数:約5000枚

なんと、チャート順位、売上ともに『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE』より悪くなっています…!

この結果をどう受け止めたのかわかりませんが、次作アルバム『jaguar hard pain』には本作『審美眼ブギ』のような皮肉を歌った楽曲は見られなくなりました。

ただ、この『EXPERIENCE MOVIE』を底に、3rd『jaguar hard pain』→4th『smile』→5th『FOUR SEASONS』とぐんぐん売上を伸ばします。

特に、5th『FOUR SEASONS』でオリコンチャート1位を記録し、イエモンは誰もが知るチャート上位常連のモンスターバンドになっていきます。

こうして結果を出し続けた今だからこそ、評価されないことを皮肉った本作『審美眼ブギ』にそれなりの真実味が宿って聴こえますよね。

一方、世間から完全に認められた今となっては、イエモンが本作『審美眼ブギ』のような内容の楽曲を作り出すことは不可能と言えます。

そういう意味では、本作『審美眼ブギ』は当時のイエモンだったからこそ生み出せた貴重な楽曲なのかもしれません。

Amazonで試聴できます。

『審美眼ブギ』収録アルバムレビューリンク

※『THE YELLOW MONKEY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/THE YELLOW MONKEY

-個別楽曲レビュー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】L’Arc〜en〜Ciel/forbidden lover

日本を代表する説明不要のロックバンド、『L’Arc〜en〜Ciel』! かっこいい楽曲に加え、時々垣間見られるちょっとした遊び心が長い人気の秘訣ではないでしょうか。もちろん、ボーカルhyd …

【個別楽曲レビュー】X JAPAN/WEEK END

日本の音楽史を語る上で絶対に外すのことのできないバンド、『X JAPAN』。 YOSHIKI、Toshl、HIDEといったメンバーひとりひとりが持つ物語、バンドが歩んだ歴史、そして多くのロックキッズを …

【個別楽曲レビュー】ZONE/夢ノカケラ・・・

“バンド”でも”アイドル”でもない“バンドル”という新しいジャンルで活動を始めた4人組グループ『ZONE』。 途中で本当に楽器を …

【個別楽曲レビュー】ポルカッドットスティングレイ/極楽灯

2017年、ブレイク間違いなし(と思っていたけど、あんまりそうでもなかった)バンド、『ポルカドットスティングレイ』!! 影ながら活動を応援していましたが、2017年11月にとうとうメジャーデビューを果 …

【個別楽曲レビュー】LUNA SEA/PRECIOUS…

2000年に終幕をし、長らく伝説のバンドとなっていましたが、2010年に活動を再開した『LUNA SEA』。 ヴィジュアル系というジャンルにおけるバンドアンサンブルの方針、特に、ツインギターの絡み方を …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。