2016年、申年に復活を遂げた『THE YELLOW MONKEY』!!
復活後も精力的に新作を発表してくれるのがとても嬉しいです。
テレビなんかでは、過去の名作を披露してくれることが時々ありますので、過去の作品を嗜みながら、新作をかじっていくのが、今のイエモンを聴く上での一つのスタイルなんでしょうかね。
今回は、アルバム『SICKS』の6曲目、『薬局へ行こうよ』レビューです。
※『THE YELLOW MONKEY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/THE YELLOW MONKEY
『薬局へ行こうよ』の全体概要
基本情報
アーティスト | THE YELLOW MONKEY |
曲名 | 薬局へ行こうよ |
演奏時間 | 1:36 |
作詞 | – |
作曲 | 吉井和哉 |
編曲 | THE YELLOW MONKEY |
インスト曲。そのため、アルバム『SICKS』の中で最も短い演奏時間になっています。
『薬局へ行こうよ』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
SICKS | 6 |
アルバム『SICKS』の6曲目に収録。
※『薬局へ行こうよ』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
本作『薬局へ行こうよ』、インスト曲ですが、吉井和哉の鼻歌だったり、犬の鳴きまねだったり、「ハニー」という呼びかけなんかがところどころ入っています。
なんだか、酔っ払いが歌っているようなコミカルさがあります。
曲名に出てくる”薬局”というワードは、普通に考えると”コミカル”というイメージとは程遠いもののように思われます。
風邪をひいたときに薬をもらう、といった利用の仕方をするのが”薬局”ですから、割とシリアスなイメージが付きまとうものかと。
しかし、かの小説家太宰治の名作人間失格を読むと、なかなかそうとも思えない描写があって興味深いです。
“人間失格”の後半、主人公とその友人が“喜劇名詞、悲劇名詞の当てっこ”という遊びをする場面があります。この当てっこ遊びとは、出題者の出したお題となる名詞は”喜劇名詞”に分類されるか、”悲劇名詞”に分類されるかを考察するというゲームです。
作中の例をとると、”汽船と汽車は悲劇名詞”、”市電とバスは喜劇名詞”なんだそうです。まぁ、言いたいことはなんとなくわかりますよね。
そこで、主人公が友人に「薬は?」と、出題します。友人は”悲劇名詞”と答えますが、主人公はその答えに一応の納得を示しながら、「医者や薬はね、あれで案外、コメ(喜劇の略)なんだぜ」と一言加えます。
この主人公のセリフは筆者”太宰治”の考えがおそらく反映されているものと思われるます。
つまり、太宰治は“薬は喜劇的”という考えを持っていたということです。
なにが言いたいかというと、本楽曲『薬局へ行こうよ』のコミカルさは、太宰治的感性を持った人なら、特に矛盾も感じずに引っかかりもせずにスッと入って来るんだろうなということです。
“薬”は”喜劇名詞”らしいですから。
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『薬局へ行こうよ』収録アルバムレビューリンク
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