個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】JUDY AND MARY/そばかす

投稿日:2019年8月12日 更新日:

女性ボーカルに男性楽器隊という編成で平成の日本音楽史に数々のヒットソングを送り込んだバンド『JUDY AND MARY』。

1993年のメジャーデビュー後、6枚のオリジナルアルバムを残して2001年に解散しました。『JUDY AND MARY』と同時期に解散した多くのバンドが再結成を遂げ続ける中、このバンドは復活の気配すら感じられないまま今に至っています。

今回は、『JUDY AND MARY』の楽曲、『そばかす』のレビューです。

※『JUDY AND MARY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/JUDY AND MARY

person

『そばかす』の全体概要

基本情報

アーティストJUDY AND MARY
曲名そばかす
演奏時間4:15
作詞YUKI
作曲恩田快人
編曲JUDY AND MARY

『JUDY AND MARY』の9thシングル。

ミリオンヒットを記録した『JUDY AND MARY』最大の売上枚数を誇るシングルです。

アニメ”るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-“の初代オープニングテーマとして有名ですね。

『そばかす』収録アルバム

アルバム名トラック#
THE POWER SOURCE3
FRESH11
The Great Escape -COMPLETE BEST- (DISC 02)1
COMPLETE BEST ALBUM「FRESH」 (DISC 01)11

メジャー4thアルバム『THE POWER SOURCE』の3曲目に収録。

※『そばかす』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

アニメ”るろうに剣心”のタイアップが付いたことから、おそらく『JUDY AND MARY』の楽曲で最も知名度の高い楽曲が本作『そばかす』。

『JUDY AND MARY』のシングルで唯一ミリオンヒットを記録した作品であり、唯一オリコンシングルチャートで1位を獲得した作品です。

Wikipediaのページを見るとわかる通り、ものすごい数のカバーがありますね。『そばかす』がリリースされた1996年の10年後、2006年以降からカバーの数が増えているように見えます。アニメ”るろうに剣心”を小学生くらいのタイミングで見ていた世代が10年経って音楽シーンに現れ始めたのかな。”あの名曲『そばかす』を自分の手でもう一度…!”と思い始めたのかもしれません。

本作『そばかす』がこんなにたくさんカバーされるほど多くの人の心に刺さったのは、楽曲のテーマの普遍性と、その表現方法のセンスにあると思っています。

テーマ自体は”失恋”、”憂鬱”といったJ-POPによくあるものです。ただ、そんなテーマを「角砂糖」、「左耳のピアス」といった身近で具体的なモノを散りばめて、深刻になり過ぎないように表現しているんですよね。まるで、”一晩寝たら忘れるでしょ”と言わんばかりの軽さと前向きさ。

一方、”失恋”、”憂鬱”というテーマと上述のポジティブな表現が重なり合うことで、ある種の健気さが生み出されているように感じます。アップテンポで元気のいいボーカルとバンドサウンドもこの健気さに一層の拍車をかけており、“背伸びしているやんちゃな少女像”をリスナーの頭の中にはっきりと描き出してくれます。

そして、”健気”で”背伸びしているやんちゃな少女”の歌を『そばかす』というズバリな一言でまとめ上げてしまう圧倒的センス!

…そりゃ真似して歌いたくなりますよ。

Amazonで試聴できます。

『そばかす』収録アルバムレビューリンク

※『JUDY AND MARY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/JUDY AND MARY

-個別楽曲レビュー
-, ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

【個別楽曲レビュー】Janne Da Arc/ファントム

2019年、突如解散を発表した『Janne Da Arc』。 キーボードを絡めたカラフルな音色、個々の卓越した演奏技術による派手なサウンド、そしてキャッチーなメロディーラインが魅力的な楽曲をいくつも生 …

【個別楽曲レビュー】B’z/RUN

ボーカルの稲葉浩志とギターの松本孝弘による二人組ロックバンド『B’z』。 『B’z』に言及するからにはやはり避けて通れないのは数々の記録でしょう。その中でも日本におけるアーティ …

【個別楽曲レビュー】ゴールデンボンバー/あしたのショー

エアーバンドなる言葉を世に定着させた先駆者『ゴールデンボンバー』。通称”金爆(きんばく)”。 自分たちの好きなことをするため、あえてメジャーデビューを選ばずにインディーズで活動 …

【個別楽曲レビュー】Every Little Thing/Someday, Someplace

J-POPのお手本のような楽曲を連発したユニット、『Every Little Thing』。 特に90年代後半の五十嵐充プロデュース時代の楽曲は、ビーイング系のバンドっぽいサウンドと小室ファミリーのダ …

【個別楽曲レビュー】THE YELLOW MONKEY/仮面劇

2016年、申年に復活を遂げた『THE YELLOW MONKEY』!! ギラギラした妖しい容姿、歌謡曲風の曲調、核心を突いた歌詞…そのどれもが絶妙なバランスの上に成り立つ唯一無二のバンドです。 一度 …


執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。